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【アイデアの夜明け前】地震の記憶を忘れないためのカレンダー
私たちの日常は、いつどこで起こるかわからない自然災害と隣り合わせです。地震、豪雨、火山活動…どれも突然やってきて、人々の暮らしを一変させます。しかし、過去の災害の記憶は、時が経つにつれて薄れがちです。「あの地震のとき、どうだったか」を振り返る機会が少なくなると、防災意識も次第に希薄になっていきます。そんな時にふと記憶を呼び起こすためのプロダクトアイデアの提案でした。
アイデアの夜明け前について
お題: 備える
このアイデアはTOYAMA DESIGN COMPETITION 2024に向けたもの。当時のテーマは「備える」。
地震をはじめとする自然災害は、決して他人事ではありません。日本に住む私たちにとって、災害に対する準備は不可欠です。「防災=非常時のためのもの」と考えがちですが、日常の中に自然と防災意識を取り入れることができれば、いざという時に慌てずに対応できるはずです。
そこで求められているのは、「日々の生活の中で、無理なく備えられるデザイン」です。防災グッズや避難所の設備だけではなく、人々の意識そのものを変えるようなアイデア。災害を「特別なこと」ではなく、「日常の延長」として捉えることができれば、より実効性のある備えが可能になるのではないでしょうか。
提案アイデア:「ゆらぎの記憶」
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「ゆらぎの記憶」は、過去の大地震の記憶を風化させず、日々の中で意識し続けるための特別なカレンダーです。
このカレンダーは、一見すると通常のカレンダーと変わりません。しかし、大規模地震が発生した日には、日付の枠線がわずかに歪んでいます。その歪みが視覚的な違和感を生み、その日が特別なものであったことを感じさせます。「この日は、何があったのか?」と意識することで、地震の記憶が呼び起こされ、日々の生活の中で自然と防災意識を高めていく仕組みになっています。
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日を追うごとに、災害の記憶は薄れていきます。時間の流れとともに、あの時の恐怖や学びも次第に遠のいてしまいます。しかし、このカレンダーは、意識的にその記憶を呼び戻し、忘却を防ぐ役割を果たします。改めて過去の地震の頻度や規模を認識することで、「いつ来るかわからないが、必ず来るもの」というリアルな感覚を持つことができるのです。
日常にそっと寄り添うことで、災害の教訓を忘れないようにする。このカレンダーは、あなたと家族を守るためのひとつの手段として、防災の第一歩を後押しします。
アイデア発想法:どうしてこれを思いついたのか?
防災に関するアイデアを考えるとき、多くの人が「非常時に役立つモノ」に目を向けがちです。しかし、いざ災害が起こったとき、どれほどの人が「備えよう」と思っても行動に移せていないでしょうか。
実際、過去の大地震を経験した人々の中にも、「当時は大変だったけれど、時間が経つにつれて防災意識が薄れてしまった」という声が少なくありません。では、防災意識を継続的に持ち続けるためにはどうすればいいのか?
そこで着目したのが、「記憶を日常に結びつけること」でした。
災害は突発的なものですが、その記録を日常の中に埋め込むことで、「特別な日」としてではなく、「日常の中の一部」として意識し続けられるのではないかと考えたのです。その結果生まれたのが、「ゆらぎの記憶」というカレンダーでした。
災害は避けられないものですが、備えることはできます。その第一歩として、日々の生活の中で「忘れない」仕組みをつくること。それこそが、真の防災なのではないでしょうか。
一緒に作りません?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「ゆらぎの記憶」は、ただのカレンダーではなく、日常の中で防災意識を自然と育てるためのデザインです。このアイデアを「面白い」「実現してみたい」と思ってくださる方がいれば、ぜひ。
防災関連のプロジェクトに携わる方、印刷技術をお持ちの方、カレンダー制作に関心のある方など、さまざまな視点からこのアイデアをブラッシュアップできれば嬉しいです。もし興味があれば、ぜひコメントやDMでご連絡ください。このカレンダーを通して、一人でも多くの人が防災への意識を持ち続け、未来の災害への備えにつながることを願っています。
アイデアの夜明け前
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