「歴史修正主義」は役に立つのか
歴史修正主義、耳障りが最悪だ。これ以上ないかもしれない。ホロコースト否定論者について大半のページが使われていた。わたしもコレが一番に浮かぶ。
1.歴史の可変性
まず1に歴史の記述が個々によって違うことを述べていた。冷静な切り口ー!
例えばクリスチャンが記した歴史は大いなる存在が導いてるというテイストが組みされたり、マルクス主義者が書けば、歴史に経済観念が加わる。
フェミニズムに寄れば、父権によって語られると述べている、コレが歴史にのっかる解釈部分だ。
2.歴史修正主義とは何か
2に、では何が「歴史修正主義」なのか?について。
可変的な歴史解釈については認めつつ、歴史をねじまげ、または不都合な部分を隠蔽したイデオロギーの正当化、もしくはイデオロギー批判の材料につかうことと書いている。
都合の良い改竄で、自分を正当化させることが歴史修正とのことだ。政治的な宗教といえる。
わかる!!これは身近に触れることができるイズムだ。
言いたくはないが、Amazonのランキングなんかを覗くてギョッとする。クソ本はごまんとある。具体的なタイトルや著者、出版社は挙げないが、歴史修正甚だしい主張のオンパレード、イデオロギーありきで書かれた歴史から排外主義な結論へと結ばれていく。
これはシンプルにため息だし、反知性にはキックだ。反知性へのパンピーができるカウンターは、本を読むことだと思うのだけど本がそれを媒介しているので救済がない。
表現の自由にピースサインを送りつつ、なんでそういうクソ本が本屋にヒラ面で並ぶのかピュアなわたしは心から疑問だったときがあり、下記のような本を読んだりした。同じモヤモヤがある方にはオススメだった。
【検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?】
という岩波ブックレットに、反知性主義は、権威に自由にモノをいいたいという欲求と「自分だけは本当の真実をしっているんだ!」という優越感にあると考察されていた。そうかも。「ネットで真実!」というやつかもしれない。
権威に屁をかけたい欲望は自分にだって覚えがある。
問題なのは歴史学のプロと有象無象の与太話が並列に並べられ検証責任も放棄していることにあり、また真面目に向き合おうとしたら膨大な労力と手間とお金が必要になるという理由で、デマゴーグと大半の専門家たちは本気で取り合わない。暇じゃなければ、手間もかかるし、その手のインフルエンサーたちのファンは過激だ。
ポスト•トルゥース時代なんて大きな言葉を使いたくないけど、島で魚釣りをしながら暮らすのがいいかもと思うときもある。
週末はリールでも買おう。
3.表現の自由
3に、この本に拍手を送りたいのは平等さにある。
本の中で、歴史修正主義は害であることを認めつつ表現の自由との綱引きについて慎重だった。
国家がハンコを押した正しい歴史という言説が通れば、また違う意味の危うさを持つ。
Photoshopの誕生以来、UFO写真が急激に増えた。インターネットの台頭からネオナチ団体が増加した。
わたしは反知性的なポピュリズム政党は所詮、インターネットで支持を集めても局所的にしか影響を与えない、とるにたらないブルシットだと考えていた。
国民は、人間はバカじゃない、を確信している。
ただこの一年、東京都知事選での石丸伸二を筆頭に解散総選挙でどこが議席を伸ばしたか、兵庫県知事選挙の結果を眺めていて投票行動の変革を感じたりもした。これが民意かー。
トランプ大統領の誕生は一部の陰謀論者やプアホワイト、キリスト教原理主義者の支持では叶わない。
ここ100年でどう考えても大きな目でみれば、世界は劇的に良くなったと思う。いまバックラッシュの時代を体験してるのかしら?!と妄想を高めて、熱い風呂に入りたい。
もちろん民主党がgoodといいたい訳ではないし、UFOはいたら嬉しい👽