【「慰安婦」問題とは何だったのか】は役にたつ
勉強になる本だった。
従軍慰安婦問題…
日韓関係、政治の対立として語られる場面が多く何やら腫れ物みたいな扱いを受けていると感じる。
専門に書かれている本を読んでおこうと手元に置いといた本。しっかり読んだので忘れないようにnoteしよう。
↓読むキッカケになったnote
慰安婦問題について、右派や左派、フェミニズム、その他多くの思想や政治的軋轢や社会通念をまず横において、当事者の声が一番大事だとわたしは思う。
この当事者の声とはなんなのか?という事をこの本では非常に複雑な問題だと教えてくれる。
時間が経ち過ぎている事もあるが、例えば支援団体やNGOの発信が代弁できているといえるか?
またその根拠はなんなのか?
名乗り出た少数の当事者の声が、多くの慰安婦の声をまるまる背負っていると言えるのか?
人はまず個々で多様であり、場面の感情に流され意見も変わると言うことは抑えておきたい。
元慰安婦の想い、望んでいる償いについて多様なうえに、その他の外部の声がバイアスをかけてしまう困難さが次にある。
日本政府も頼りないとはいえ償いに尽力してきた。
(この頼りなさについても、この本で説明を尽くしてくれている。)
しかし基金に対して「金が欲しいだけだ!」とファックな外野からのイチャモンをつけられたりする。すると「お金の問題ではない!女性の尊厳の問題だ!」と反論がある。この反論は確かに真っ当だ。
ただお金の話をするのは、そんなにおかしなことか?尊厳や倫理の問題は大大大前提で受けた傷をお金に換算して支払え!は一般的な感情として当たり前とまでいえる。
コレではお金を受け取ることがまるで後ろめたいことのようだ。
これはほんの一例だが、わたしがこの本を読もうと思った、知りたいと思った折り合えなさのキモの部分だったと思う。応えてくれて助かった。
この本の240ページの真摯な「知」の集合のほんの2ページだ。
残りの238ページにも同じ密度で学びが詰まっていた。本の中でさまざまな意見の実例を挙げて、どれにも耳を傾けて回答している。
そして、通底しているのはYES、NOの二元論での片付かなさを示している。
本当の意味で慰安婦問題を誰もが納得する形で解決するなら、彼女たちを慰安婦になる前に戻してあげることになる。
現実では誰もが納得できる形が存在しない。
いつも、この言葉しか出ないんだけど、学びある良い本だったなぁ。
最後に、この問題に関して一番ムカつく世間の反応は「慰安婦=売春婦だ。」というバカも休み休みに言えという、取りあげたくもない意見があるのは承知しているが、当然こういう意見についても本では拾っている。