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落ち込む原因の、裏側の漠然。
思っていたことを、今日もうまく話せなかったなぁと、考えながら、電車に乗っている。
「……」
うまく話せない。
例えばなんだろう、伝えたいと思っていることが、伝えられていないという気分。
圧倒的準備不足。そんな気持ち。
日頃から、こう思っている。というような、「確固たる信条」のようなものを持ち合わせていないのかもしれない。
そんな落ち込み。
ということで、駅から降りてバスに乗らず歩いた。
身体を動かしたい。
そして、少しだけ「考え」のようなものをまとめてみたい。
ああ、素敵な考えだなぁ。とか、そういうことを思い続けられたらいいなぁ。
なんて気持ちが沸き上がることはあるのだけれど、実際、心にいつまでも留めておけるほど、考えは安定していない。気持ちの状態は常に変化を続け、瞬間瞬間の反射だけで、いっぱいいっぱい。
「はぁはぁはぁはぁ……」
少し早歩きする。
身体を動かせ。
心が、ざわざわする。例えば、何かしら叫んだり、泣きわめいたり、取り乱したりしながら、身体の中に溜まっている「鬱屈」のようなものを、なりふり構わず、発散したい。
けれど、しない。ただ、黙々と歩く。
そして考える。
「……それでいい」
それでいい。それがいい。
なぜそれで良いのかは、説明はつかない。
ただ、黙々と歩き、考え、そして、取り乱さない状態を保とうとしていることについて、ある種の哲学を自らに与える。
うまく話せない。
考えもまとまらない。
けれど、その責任は、自身の中で、解決しようとする。
心に留めること。うまく振舞うことが下手なこと。
けれど、そのことについて、静かに身体へ負荷を与えて、自らで処理を試みること。
「はぁ……」
僕は、少しだけ、その不器用さに対し、愛着を抱き、漠然とした納得を得て、感覚を内在させる。
そして、そのことについて、説明したいかと言えば、したくはない。
言語化しないことにより、獲得できる、浸透。
うまく話せない。
けれど、うまく話せないこともまた、「そのまま」にしておくことが必要な時もある。
それを認めよう。
「ふぅ、ふぅ……」
僕は、早歩きを止め、ゆっくり歩を進めた。
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