59冊目*世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義~(沼野 充義)
小説の読み方変わるかも?
世界とは一体なんだ?
幼少期に読んできた「世界文学全集」、あの作品群も確かに素晴らしい。ただもうその作品が生まれてきて100年近く経過する。その間に生まれてきた文学が駄作な訳がない。
さらに世界は近くなったし、多様な物語が豊富だ。作家の生まれた国なのか?育った国か、はたまた物語の舞台か?舞台が世界を股にかけていたら?
世界の定義とは?
単純に文学を楽しむのもいいが、こうして有識者による深掘りのヒントをもらえるのは楽しい。講義なんてどのくらいぶりだろう、あの時はとりあえずで文学を専攻してみたこともあって身などはいらなかった恥ずかしい過去がある。
友人のお母さまが、子育ても終わった頃、聴講生として「源氏物語」を学んだと聞いたことがある。あの物語は、大人になってからこそわかるものがあると彼女は言っていたそうだ。
年齢や立場も勿論だ。
時代背景なんてものも知れば、物語には深みが増す。こういう考察があるかもしれない、と好きなように膨らまし、愛おしそうに語る姿がたまらなかった。
物語の一端でしか見たことがなく、好き嫌いで決めてきた(そもそもそれが正解かもしれないけれど)が、調理方法を変えるだけで絶品になることもある。それに近い。
長年苦手意識の強かった小説も登場していたので、再読してみようと思う。好き嫌いの少し多い方へ、オススメの一冊だ。
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