47冊目*あなたはあなたが使っている言葉でできている(ゲイリー・ジョン・ビショップ)
頭の中には会議室がありまして、常に騒がしい状態なんです。そんな人いませんか?
ぜひ読んでほしい。
唐突だが、これに尽きる。
私の脳内は、常に誰かが喋り続けている。
さらにそれが漏れ出て独り言と化してしまう、怪しい人間だ。注意しているつもりでも気を抜くと途端に呟いている始末。
内容といえば、反省会や歩まなかった方の未来に思いを馳せているので「現実的な中二病」とでもいうのか…いや、脱却できていないのかもしれない。
それが終わると激しく落ち込む。
自らを傷つけている状態だったのだろう。
私は「言葉」が、好きだ。
学生の頃「言葉」についての授業を受けたことがある。最初に「バベルの塔」という有名な絵画作品を見せられつつ言葉の派生は未だに解明されていないと先生が言った時から、気になる存在になった。
研究をするというよりも、仕入れたネタを家族に話すことで満足していただけだったので、遅ればせながらその分野への道筋を探してみようかしら、と考えている。
脱線した。
そもそもこの本を読む事にしたのは、「言葉」とあったからだ。タイトルでのジャケ買いだ。
自分の使う言葉で自分というものができる、など思いもよらなかった。そもそも一生のうちで一番話しかけているのは自分だ、という考えに至らなかった。
腑に落ちたのは、子育てをして第三者である子どもが言葉掛けによってはっきり変わるを目の当たりにしたからだろう。実験をしていたわけではない。未熟な私は子どもへの声かけを誤ることが多々あるのだ。そうして、自分の子供時代のことをよく思い出す。
「あの時」どう声かけをしてもらっただろうか?そして自分は、自分自身へどう声をかけていただろうか。自分への声かけがあまり良くない方向であるならば他者である子への声かけもうまくいく訳がないのではと考える。
本書に衝撃を受けたのは、俗にいうポジティブな言葉の押し付けではなかったことだ。フラットな言葉だからこそ素直に受け入れられたのだ。まるで説法を聴いた時のそよ風のようなものが、入り込んでくるような感覚だった。
これは、私の当分のバイブルになる予感のする一冊だった。