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大河内健志
2020年5月27日 09:43
小次郎は武蔵が自分の間合いに入る紙一重の時に、頭上に振りかぶっている長光を振り下ろした。一拍子といえども、ほんの僅かながら時間がかかる、突進してきている武蔵の速さであれば、切先が武蔵の頭上に達する時には間合いを一寸五分ほど超えており、充分に斬ることが出来る。 小次郎は充分に確信を持って斬り下ろした。切先は見事に、下げている武蔵の頭上を捉えた。あとは長光の思うがままに任せておけばよかった。いつ
2020年5月25日 07:30
二人の距離が、三間を切った。 ここまで入ると、小次郎の初太刀が来るはずだ。左から右にかけて顔の前を初太刀が横切る、あの燕返しの前触れが来る。しかし、それに惑わされてはいけない。間髪入れずに、次の太刀が来るからだ。初太刀に反応して、脇構えから木刀を上げてしまうと、右胴はがら空きになってしまう。そこを小次郎は、すかさず次の太刀で、難なく右胴に切り付ける。それ故、小次郎の初太刀には反応してはいけな