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Land acknowledgementとは?;土地への謝意を述べる意義
Land acknowledgement(ランド・アクノレッジメント)、
これ、私がアメリカに留学して、まず最初に感銘を受けた文化(?)です。
(文化と言えるほど長い歴史はないと思うので、はてなつけました)
授業の始まりにシラバスを確認するじゃないですか、そのシラバスにこんなことが書いてある授業がありました;
UC Berkeley is located on the territory of xučyun (Huichin), which is the unceded land of the Chochenyo speaking Ohlone people. Spanish missionaries enslaved Indigenous people in so-called California in the 18th century and the state of California supported an attempted genocide in the 19th century. As instructors and students at UC Berkeley, we directly benefit from the settler theft of this land, which remains Ohlone land, and will always be Ohlone land. The Land Acknointent of this Land Acknowledgement is to affirm Indigenous sovereignty and a commitment to hold UC Berkeley —and the settler institutions across the so-called U.S. — accountable to the needs of American Indian and Indigenous peoples.
日本語訳;
カリフォルニア大学バークレー校は、チョチェンヨ語を話すオローン族の未許可地であるxučyun(Huichin)の領土に位置している。18世紀にはスペイン人宣教師がいわゆるカリフォルニアで先住民を奴隷にし、19世紀にはカリフォルニア州が大量虐殺の試みを支援した。カリフォルニア大学バークレー校の教官や学生である私たちは、入植者が盗んだこの土地から直接利益を得ている。この土地承認の趣旨は、先住民の主権を確認し、UCバークレー校、そしていわゆるアメリカ全土の入植者である教育機関に、アメリカ・インディアンおよび先住民のニーズに対する説明責任を果たさせることを約束することである。
他の授業では、シラバスではなく、スライドが映し出されて、先生が読み上げていました。
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授業だけではなく、学校関係のイベントの最初に読み上げられる時も多々ありました。
これが、Land acknowledgement(ランド・アクノレッジメント)です。
直訳すると、土地の認知/謝意。
以下、wikipediaの説明です;
A land acknowledgement (or territorial acknowledgement) is a formal statement that acknowledges the Indigenous peoples of the land. It may be in written form, or be spoken at the beginning of public events. The custom of land acknowledgement is present in Canada, Australia, and New Zealand, and more recently in the United States.
日本語訳;
ランド・アクノレッジメント(またはテリトリアル・アクノレッジメント)とは、その土地の先住民族を認める正式な声明である。文書形式の場合もあれば、公的行事の冒頭で話す場合もある。土地承認の習慣はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドにあり、最近では米国にもある。
日本語で調べると、唯一出てくるのがこのサイトです。
「テリトリー・アクノリジメント」は、行事やイベントなどの冒頭に述べられるもので、先住民族の土地に対する謝意・言及です。行事等が行われる施設やエリアが本来、どのような先住民族が暮らしてきた土地の上に拠っているかを明言し、話者が先住民族自身である場合は自らの土地への歓迎の意、話者が先住民族以外である場合はその土地で活動を行うに至った背景説明と謝意を示す意義があります。
ここでは、カナダのユーコン大学について書いてありました。
なぜ私がこの習慣(?)に感銘を受けたか、まぁなんとなく理解してもらえると思うのですが、頑張って言語化してみます💪
過去を毎度言及することは以下のことを意味するから、私は感銘を受けたんだと思います;
歴史と現在を繋げて、過去を「過去のもの」として無視しない
暴力を繰り返さないことを誓う
今私たちの置かれた状況がいかに特権的か認識する
①に関して補足;つい数年前に、バークレーの近くの土地が先住民コミュニティに返されたっていう話を、先学期に受けていた「環境フェミニズム倫理」って授業で学びました。全然過去の話じゃないし、現在何をするか、なんなら未来の話なんです。
③に関して補足;今学期に私が受けている「ジェンダー・人種・法律」という授業で、どのようにアメリカの先住民たちの文化が排除されたかについて勉強しました。男女二元論から離れた人たちの抹殺や、白人の社会に同化させるような教育、服装の強制など。
そのような過去を踏まえて、現在の私たちがいかに恵まれているか、特にこの地で高い教育を受けているということが、どのような犠牲のもとで成り立っているのか、深く考えさせられました。
このnoteが、Land ackowledgementについて知る・考えるきっかけになれば嬉しいです。
…って締めようと思ったんですが、正直noteは私自身の思考の記録と、家族への留学報告書なので、やっぱりこれで締めるのはやめます。
私にとって、noteを書くということは、言語化の練習でもあり、日本語を忘れない練習でもあり、責任の持てる言葉を発する練習でもあります。
留学が終わるまであと3ヶ月ほどは毎週書き続けようと思います。