哲学・日記・メモ 「美しい人について」
美しい人について
●美人とか美男子とか言うけれども、それは美視人・美視男子と言うべきではないだろうか。
●と言うのも先天的盲の方にしてみれば見た目の美しさは感得出来なのだから、美人や美男子は視覚に偏重した物言いであるに過ぎない。
●先天的盲の方にとっての美しさは、もしかしたら声であり、彼にとって美しい人とは、美声人とか美声男子と呼ぶべき者であるのかもしれない、と思ったりする。
●更に盲・聾の方を考えてみると、彼にとっては、もしかしたらそれは触れ合う触覚的心地良さになってくるのかもしれないし、そういう「触覚的心地良さ」を共有できる人が彼にとっての「美しい人」なのかもしれない。
●そして「触覚的心地良さ」は、触れてくる相手の「人格」を、視覚・聴覚に増して反映するものであるのだとしたら、「美しい人格」の男女を識別する感度は、盲聾の方々にこそ鋭敏に備わっているのかもしない。
●そして更に触覚のその先には「関係の心地良さ」が控えているのかもしれない。それは「気配の心地良さ」と言ってもいいだろう。と思う。
2021年6月 岡村正敏