見出し画像

哲学・日記・メモ 「強さと弱さの事」


強さと弱さの事                           ●強いとは弱いものに対して勝つという意味が含まれる。だから強さとは、弱いものに勝つことであり「最強」とは自分以外の総ての弱いものに勝つという意味になる。                               ●と言うと弱いものいじめのような響きがあるのだけれども、「強い」とか「弱い」と言う概念もしくは観念が「勝ち負け」「優劣」の概念や観念を内包しているのだから仕方がない。                   ●そうである筈なのに不思議なのは、「自分の弱さに克つ」という時は、弱いものいじめの響きが払拭されるのは一体なぜなのだろう?「勝つ」と「克つ」は自分以外に勝つか自分に克つかの違いがあるだけで、本義は同じはずなのに評価の差はあまりに大きく、これを欺瞞とするならば、この欺瞞の陰に隠されているものは何であろうか・・・・?あるいは「克つ」を「勝つ」と同義と考えるからいけないのであって「克つ」にはもっと違った意味合いが含まれるのかもしれない(例えば自分自身の寛容のキャパシティの増進といった意味。容量を増やすという事だからこれは勝ち負けの対立図式から外れる。しかしこれは「強さ」の概念に沿うものであろうか?違う気がします。「強さ」はあくまで「弱さ」との対立図式に於いて成立する概念・観念だろうから。だからこれを「克つ」と混同する事への「欺瞞」を私は覚えてしまいます)。                               ●ところで、もし、もしも私達が「勝つ」の本義に誠実に向き合うのならば、もしかしたらルサンチマンも卑屈ではあるが「勝つ」を志向しているという点ではやはり誠実ではあるのだろう。その表現が遠回りであり策謀的であり、時にいやったらしく偽善であるというだけである。純粋ではないだけで誠実ではあるのだろう。誠実さという意味ではルサンチマンの強さへの志向は疑いえないのだから(だからニーチェのルサンチマン批判は疑問であるし、ニーチェの言う「強さ」と「強さ・弱さの対立図式を超えた生そのものの強度」とを混同しないように注意しなければならないと思います)。                               ●また、強さ弱さは相対的なものだ。と言う人も多い。これは正しい物言いのように思える。しかし「強さ」の概念が持つ志向を考えるならば私達はそれを受け入れる事はは出来ないのではないか?                                ●例えば食物網(Foodweb)という相対的な食う食われるの関係においては「強い・弱い」は相殺される。だからこの関係は相対的であると言えるのであるが、それはあくまでその関係を俯瞰する立ち位置にたった場合である。その時その時の現実存在(=実存)に於いては「食う食われる」「強い弱い」と言った志向と対立図式からは逃れることは出来ない。             ●俯瞰した立ち位置とその時その時の現実存在。この対立図式は「真理と実存」の対立図式に重ねることが出来るかもしれない。もしくは「形式と内容」という対立。                          ●しかし普通巷支持されるのは真理とこの現実の私を生きる実存をの対立を、その対立をうやむやにしてしまう「曖昧さ」であろう。あたかも本来そんな対立はなくて「曖昧さ」が根源的なものでありそこに回帰すればすべての対立は解消されるのだ。というような風潮。その「曖昧さ」。     ●私はその「曖昧さ」が好きではない。対立図式を調停する為の「方法」を求めず「曖昧さを曖昧なままに受け入れる」と言う姿勢を取って由とする姿勢に、私はどうしても不実を感じてしまうのです。           2021年5月 岡村正敏た場合である。その時その時の現実存在(=実存)に於いては「食う食われる」「強い弱い」と言った志向と対立図式からは逃れることは出来ない。                           ●俯瞰した立ち位置とその時その時の現実存在。この対立図式は「真理と実存」の対立図式に重ねることが出来るかもしれない。もしくは「形式と内容」という対立。                          ●しかし普通巷支持されるのは真理とこの現実の私を生きる実存をの対立を、その対立をうやむやにしてしまう「曖昧さ」であろう。あたかも本来そんな対立はなくて「曖昧さ」が根源的なものでありそこに回帰すればすべての対立は解消されるのだ。というような風潮。その「曖昧さ」。     ●私はその「曖昧さ」が好きではない。対立図式を調停する為の「方法」を求めず「曖昧さを曖昧なままに受け入れる」と言う姿勢を取って由とする姿勢に、私はどうしても不実を感じてしまうのです。           2021年5月 岡村正敏                         

いいなと思ったら応援しよう!