【一言書評】中田永一『私は存在が空気』

中田永一
『私は存在が空気』

私は存在が空気

儚げな抒情性ただようタイトルに今をときめく漫画家・浅野いにおによるポップなカバーイラスト、それに〈超能力者×恋物語〉なるキャッチコピーの三位一体がもたらしたのはわざわざ実数を調べずともトップクラスに違いない"ジャケ買い"率の高さ。この上なく"ホンダナ映え"する一冊は戦略的マーケティングの観点からいえば完全に勝ち戦。あとは購買層を裏切らぬようかわいくまとめておくがよし。それを体現すべく『少年ジャンパー』が音楽アルバムのリード曲よろしく巻頭に、とするのは穿った見方だろうか。