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7)「先生はあいつらの味方だ。」

◆悪口を言われた 6

「ミコさんの言う事を信じよう」と私がサトコさんに言った瞬間、サトコさんが驚いたように目を見開いてこちらを見ました。そして、ミコさんとクミさんは嬉しそうな表情になりました。ミコさんは、本当に言ってなかったのでしょう。そして今後も言わない自信があるのだと思いました。


子どもの喧嘩というのは、双方が自分の正義を主張するばかりで、いつまでも後に残すことがあります。それは、相手の主張を受け入れることができないからだと思います。

以前、子どもの喧嘩を仲裁した時、双方の状況を聞いた上で、お互いに悪かった点を話して謝らせたことがありました。学校では一般的な指導だったと思います。

でも片方の子は、それで納得ができなかったのでしょう。家に帰ってから「先生はあいつらの味方だ。今から家に行ってぶん殴ってくる」と大暴れで、お母さんからHELPの電話がかかってきたことがありました。

家庭訪問して諭し落ち着かせることができましたが、その時、この子は自分の正しさを全面的に受け入れてくれる人が自分の味方で、それを否定した(一部ですが)私は、敵側の人間なのだと思いました。

でも、これでは自分ひとり王様で、自分以外の正義は存在しないことになるのですから阿修羅の道を歩むことになってしまいます。

阿修羅は、一人で戦っていたのでしょう。人の声が耳に入らなければ、孤独です。この子も、孤独に戦っていました。でも、相手の言葉を受け入れて「許す」「信じる」ことができれば仲間が増えることになります。

一人で戦わなくても済む。孤独でなくなれば、負の感情からも解放されるのでしょう。

サトコさんに言った「ミコさんの言う事を信じよう」も、ミコさんと敵対せずに、ミコさんと仲間になろうという話であり、孤独な闘いから脱出する方法になるのです。

だからミコさんやクミさんは喜びの表情を見せたのでしょう。

自分の主張をせず、折れて近づいてきてくれるのだから、これほど嬉しいことはありません。サトコさんも初めは目を見開いて驚いていましたが、「信じるよ」と笑顔で言い、仲直りができました。

ということで、この続きは、また明日。


この文章は、お気楽先生のほぼ毎日私感にて過去にアップロードしたものです。noteでは、マガジンにまとめていこうと思っています。

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