見出し画像

5)負の感情に支配された時は、相手の言葉は届かない

◆悪口を言われた 4

(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)

サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。

興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですがインドでは常に帝釈天と戦う”悪”の戦闘神なのだそうです。

阿修羅には美しい娘がいて、その娘を気に入った帝釈天が、彼女を無理やり自分の宮殿に連れ去ってしまいます。怒った阿修羅は、武器を取って帝釈天に戦いを挑みます。でも力の神である帝釈天に勝てるわけがなく、阿修羅は敗北します。それでも阿修羅の怒りはおさまらず、帝釈天に執拗に戦いを挑みます。

ところが、暴力で連れ去らわれた娘は、実は幸福な帝釈天の妻となり幸せに暮らしていたのです。それにも関わらず、阿修羅は自分の正義に固執してしまっていたのです。自分の正義にこだわり、相手の主張に耳を傾けずに戦いを続け阿修羅は、神々の世界である天界から追放されてしまうのです。

帝釈天は、たとえ小さなアリであっても助ける慈悲の心があり、対する阿修羅は、相手を考えずに自らの主張ばかりするので”悪”の戦闘神という位置づけなのだそうです。

私たちは、何か負の感情に支配された時には、自分の正しさばかりを主張してしまい、相手のことを考えられなくなることがあります。

サトコさんも同様な状態で、ミコさんの「言っていない」という言葉は届いていないし、届かない。そこが問題だと思いました。

長くなるので、この続きは、また月曜日。


この文章は、お気楽先生のほぼ毎日私感にて過去にアップロードしたものです。noteでは、マガジンにまとめていこうと思っています。

次の記事 前の記事→


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?