伸びやかな一筆書きのようなカノンが、それでも、やがては消えてゆく。ドアが開くたび秋の風が吹き渡る。ひとつところに留まるというのは、どうでしょう。普通のことなのに、秋は、こころがざわざわと、毛羽立つように、揺れ動く。そのままで良いのです。だが、葉は落ち、転がり、裸の木はただ美しい。

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