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私は何者か、番外編 a dozen 短歌 21


彼の胸かしらそうだよね地球の裏まで行ってたような気がして

夕餉終え彼は居眠り私はわたくし三昧週末の家

砂時計落ちて世間は騒々しい眠れないなと寝落ちもしもし

待っているだけの人生脱ぎ捨ててそれをいったい何処へ捨てよう

君待てる我待てる君波しずか黒曜石の浜へ急げよ

滝へ注ぐものは一瞬怯んだがすでに我から離れ自由よ

見えるもの見えないものも見えるものそれは眼が美しいから 

淡いものずっとまえから信じてる気配というか包まれていて

夜をゆく誰も知らない道に沿いそんなふつうの眠りに落ちる

遠くからたどり着いたるその音を標にもする水の流れる

聞いてないふりをしていよう公園の裸木が話しだすゆふぐれ

一日を開いて閉じてリンゴ剥く赤いリボンの端を探して









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