飲食店とオンライン販売、二本柱の裏側
こんにちは、三浦です。今日は、「はじまりのトマトソース」とオホーツク食堂「たまごのじかん」、ふたつの事業の関わりと進め方について話します。
もともと僕らは「たまごのじかん」というレストランを経営していて、そこで使っていたオリジナルのトマトソースを販売し始めたのが、「はじまりのトマトソース」です。
この二つの商品や場所をどういうふうにとらえて、それぞれに時間を使っているか。これまでの経緯と展望を、まとめてみました。
計画より先に行動、協力者を募って前進
はじめは「店で使っているトマトソースを販売したい」っていう気持ちだけ。だから、あんまり細かい計画は作らずに商品化をスタートしたね。
第一の目標は、商品の在庫確保。大量のトマトソースをどうやって作るかが問題だった。だいたいトマト2~3トン分の生産と収穫、加工が必要だからね。ひとりで作るのは当然難しいから、協力してくれる人を探したんだ。
生産と加工、それぞれ北見で協力してくれる人たちを見つけて、具体的に何ができるのか、どれくらい生産できるのかを相談して。ひとつずつ、ひとりでできないプロセスの協力者を見つけて、商品作りを進めていった。
その間に、同時にレストランとオンラインショップのバランスも少しずつ調整していったのさ。でも、この話はきれいなことばかりでもなくてね。
そもそもオンラインショップ以前に、レストラン自体も問題を抱えていたんだ。
店舗経営の限界と方針の転換
オホーツク食堂「たまごのじかん」は、夫婦ふたりできりもりしている。これまでずっと一般的な飲食店の営業時間に店を開けて、お客さんを増やそうと頑張ってきた。
でもね、お客さんが常ににぎわうような繁盛店を育てるのは、ほんとうに難しいのさ。選択肢が飲食店しかない時代ならまだしも、今はコンビニエンスストアをはじめ、競合が増えている。
そういうお客さんを待つ一般的なスタイルの営業方法では、限界があった。
このままじゃいけない。
この焦りは、経営指針としてはもちろん、生き方にも重なってきた。ただお客さんを待って店を開けている時間が、どんどん流れていってしまう。まるで命をなげうっているような気分だったのさ。
そういう中でトマトソースのオンライン販売の準備を本格的に進めて、僕はある決断をした。レストランを予約営業に切り替える。これが、大きな転機になったのさ。
完全予約制のメリットとお客さんとの関係性
レストランを予約営業に切り替えて感じた最大のメリットは、予定が立てられること。前日までの予約のみ受け付ける形にしたから、翌日の動きは前日までにわかる。
予約が入っていない日はオンラインショップのタスクを消化できる。今までコントロールできなかった待ち時間がなくなった。
店を完全予約制に切り替えたのは、2020年7月から。本当はもう少し先の予定だったんだけれど、コロナ禍でタイミングを早めたのさ。ちょうど「はじまりのトマトソース」販売開始とも時期が合った。
まだ始めて間もないことだけれど、すでに予約制のメリットを感じているよ。お客さんとコミュニケーションを取れるし、予約制だから関係性が構築しやすい。時代の流れと合わせてみても、最適な答えだったと思う。
もちろん、予約制にすることでお客さんのハードルが高くなったよ。でも、ハードルはあえて高くするという覚悟をしたからね。店やトマトソースを心から愛してくれる人たちのための場所にしたいな、と。
できることを積み重ねて、目指すは年間売上10億円
オンラインショップと飲食店。
どっちも経営するときのポイントは、「できる・できない」を確かめること。僕も準備と並行しながら、持続可能なやり方を模索してきた。だから、繁忙期が来てもちゃんと対応できる予定を組めているよ。
ちなみに「はじまりのトマトソース」作りの繁忙期は、お盆明けから2ヵ月半ほど。トマトの収穫期から加工までの期間は、少しやることが増えるね。
そもそも、「はじまりのトマトソース」はまだ売り始めたばかりだからね。売上が伸びて忙しくなるのは、これからだと思っている。少なくとも10年は育てるぞ、って始めるときに思ってたから。
最終的には、年間売上10億円が目標。言っておいてそんなに伸びないかもしれないけれどさ(笑)。
それで、レストラン「たまごのじかん」は、お客さんとのコミュニケーションの場として育てていきたい。ただ食事を提供するだけの場ではなくて、「はじまりのトマトソース」を食べてくれた全国の人たちが集まれる場所にしたいんだ。
来てくれた人たちが、自分で育てたトマトでトマトソースを作る体験ができたらいいかもしれないね。毎年1回は、トマト祭りを開催してもいい。とにかく、「はじまりのトマトソース」を基軸にいろんなことをしていきたい。
そういう夢があるから、商品とレストラン、どちらも育てるのは自然なことで。オンラインショップとオフラインのレストラン、どちらも必要なのさ。
僕自身は、これから少しずつ料理人の仕事を減らしていきたい。事業そのもののことを考えて、育てるほうにシフトしていきたいから。自分の最適な働き方、時間の使い方が見えてきたことも、両軸でやってよかったことかな。やりたかった『農業×ビジネス』のビジョンに少しずつ近づいてきて、わくわくするね。
―INFORMATION-
オホーツクトマト食堂公式サイト
「はじまりのトマトソース」オンラインショップ
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取材・文 宿木雪樹
デジタルマーケティングプロデュース ふぉろかる合同会社