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店長三浦の人生どん底だったころの話

こんにちは、店長の三浦です。これまでは「はじまりのトマトソース」の魅力を伝えたくて、将来の夢、トマトソースの魅力なんかをずっと話してきました。でも、いざこうやってnoteに並んでみると、カッコよすぎてなんだか実際と違うな……って思い始めたんです。今回は、人生で本当につらかったころのことを話します。なんだかんだ、人生の8割ぐらいはあがいてるから。

商売に明け暮れて陥った極貧生活

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飲食店をオープンしたのが2001年のこと。もともと「農業とビジネスを掛け合わせたい」、「そのための一歩として飲食店を始めたい」と思っていたのに、いざ店をやり始めたら、そんな夢はポーンと頭から抜けてしまった
お客さんが来なきゃ話にならないから、お客さんを集めなきゃ、改善しなきゃって日々の経営のことで頭がいっぱいになってね。休みもろくに取れず、あっという間に年月が過ぎていった。

2006年に腰を痛めて、それでも無理して店を開いていたら、手術が必要なほどに悪化してしまってさ。しばらく店を休むことになって、このブランクが後々の経営に手痛く響いてきた。一度休んだ期間のお客さんはそう簡単には戻ってこない。体だって後遺症を抱えていたから、そんなに無理はできないし。

そうしているうちに資金が尽きて、いよいよ飯が食えないレベルに追い込まれた。夫婦ふたりで「どうする?」って相談し合って、両親にも子どもにも隠して……なんとか窮地を乗り切ろうとしていた。当時のごはんは、業務用で一番安い鶏ムネ肉でしのいでいたなぁ。でもね、借金はしなかった。貧乏生活だけれどなんとか乗り切れるって、どこかで思ってたんだろうな。

もう本当につらかったさ。でもね、一方で良い転機でもあったんだ。入院期間、ようやく落ち着いて自分の人生について振り返る時間ができてね。

そもそもなんで脱サラしたんだっけ?」って。自分がやりたかったのは飲食店そのものではなかった。農業につながる産業全体にアプローチしたかったんだ。もっと広い意味でのビジネスをやりたかったんだ。

そういう目標を思い出すことができたのさ。それで、改めて思った。

トマトのことをやらなきゃ!」って。

リスタートするも、ビジネスの難しさに混乱する日々

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2008年、イタリアン「ボナセーラ」から一転、「たまごのじかん」に店名を変えて、メニューやコンセプトを一新してリスタートした。「たまごのじかん」って、なんか面白いでしょ?普通のレストランじゃない感じがして。

リニューアルのきっかけになったのは、「トマトをもっと活用したい」という想い。トマトをたくさん扱うためには、パスタだけじゃ足りなかったんだよね。だから、トマトソースをふんだんに使うオムライスをメニューに加えよう、じゃあ「たまごのじかん」だって決めた。

振り返ってみると、「とまとのじかん」のほうが良かったなって思うんだけどね……(笑)。ただ、トマトをメイン食材として看板にするのは、地域で展開する飲食店としてはやっぱりちょっと不安だった。オムライスのほうがわかりやすいし、年齢を問わず多くの人が好きなメニューだからね。

でも、ここからもまた、たくさん悩んだよ。「飲食業ってなんだ!?」ってね。

そりゃあ広告を打てばお客さんはたくさん来るんだけれど、またすぐに減ってしまう。安定しないし、広告に力を入れ続けなきゃいけないっていうのも違う気がしてね。

どうしたらうまくいくのか、コンサルを受けたり、独学で経営の勉強をしたりもした。あと、実験もたくさんした。

例えば、広告をまったく打たなかった年があるよ。当たり前だけれど、お客さんはどんどん減っていった。でも当時は何が正解なのかわからなくて、「いいんだ、今年は広告を打たないでやるんだ」って意固地になっちゃってね。もう、うまくいかないことだらけで、混乱していたのさ。

あがいても、あがいても、うまくいかない。答えがないまま進んで、ずっと続く失敗みたいな日々だった。

自分の商売を落とし込むことが開いた、未来への扉

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今だってビジネスをわかったとは言えないけれど、あるとき、『自分の商売』という切り口に気付いた。

外で語られるビジネスやマーケティングの話は一般論だし、マスを対象にしたものがほとんどなのさ。でも、そもそも僕がやりたいビジネスのビジョンに立ち戻ってみたら、そんなビジネスがやりたいわけじゃなかったんだと気づいた。もちろん、そこから学んだこともたくさんあるけれど、最終的には「自分が何をしたいのか」が基軸にならなきゃ、いい商売はできないよね。

トマトソースで突っ走ろうって決めたのは、「たまごのじかん」にリニューアルした2008年のこと。少しずつトマトソースの商品化に向けて準備していって、形になるまではやっぱりずいぶんと時間がかかった。

その間に、例えばレストランを完全予約制に切り替えようとか、もっとお客さんとの関係性を深めて、ファンになってくれるお客さんを大切にしようとか、少しずつビジネスのやり方を改めていったのさ。その積み重ねが、『自分の商売』なんだと思う。

こういう商売人のセンスみたいなものは、もともと家族が商売人だったり、ビジネスに近い環境があったりすると、自然と育まれるものなのかもしれない。けど、僕は商売人の子どもでもないし、ここ北海道は商売人が少ない地方だからさ。つかむまでにずいぶんと苦労した。

今でこそ「これだ」って思える道が見えて突き進んで、こうして考えていることを言葉にして伝えることもできるけれどね。そこまでの道のりは本当に長かったんだよ。いっつもカッコいいことばかり言ってるとなかなか伝わらないかもしれないから、今日はその話をしたかった。もちろん、今だって試行錯誤の真っ最中さ。失敗しながらも、人生を楽しんでるよ。


―INFORMATION-
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取材・文 宿木雪樹
デジタルマーケティングプロデュース ふぉろかる合同会社

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