人生に立ち止まりたくなった人へ向けての宿”おかゆホテル”をはじめます。
こんにちは。おかゆホテル運営者のさやです。海の見える、とあるまちにパートナーのひろと一緒に住んでいます。わたしは現在29歳。実は、正社員として勤めていた会社を今年の6月に退職し、今は離職中…つまり世間でいうところの無職です。パートナーの支えのおかげもあり、今はこころの休養と次の方向性の模索期間を過ごしています。
現在はその方向性の一つとして、人生に立ち止まりたくなった人へ向けての宿”おかゆホテル”をはじめようと日々奮闘しています。以下の方へゆっくりと心を休める時間・空間と、次の方向性を見つけるための対話を提供できる場にしたいと考えています。
・休職中/離職中/休学中/これらを検討中の方
・今の生き方や仕事に違和感を持たれている方 など
このおかゆホテルの構想の元となったアイデアは実体験から得られたもので、今日はその実体験を赤裸々に綴ってみようと思います。
冒頭でもお話ししたように、わたしは6年と2ヶ月築いてきた自分のキャリアから今年の6月に一旦離脱しました。大学卒業後に就職してから働きづめだったこともあり、ここで一度人生を休みたい…と思っての行動でした。こうして短い文章にまとめてみるとすごくシンプルですが、実際のところは在職中に突然やってきた自分の仕事への違和感や退職への恐怖心、休むことに罪悪感を覚える気持ちなど、今までの人生で味わったことのない複雑な気持ちとの対峙が続く日々に疲れ切り、時に”死”が頭をよぎったこともあるのが本音です。そんなこころの動きを経て、どうにかこうにか人生を休むために会社を辞めるという決断をすることができたのですが、当時の心の動きを振り返った時、ひとつの仮説が浮かびました。
最低限の生活のお金の心配をしなくていいこと、自分の気持ちを否定せずに受け止めてくれる人がいること、そして安心できるひとりの時間/空間があること…
これらは人生の転機を迎えて悩み苦しんでいるすべての人に必要とされる条件なのかもしれない。
もう少し詳しく、実体験から考える仮説のそれら条件の一つひとつをみていきたいと思います。
人生において大きな転機を迎える際に
必要かもしれない要素
①最低限の生活のお金の心配をしなくていいこと
在職中に自分の仕事に対する違和感を自覚し始めた頃、退職という選択肢は頭に浮かんでいたのですが、それを選ぶ場合にまず心配だったのはお金のこと。学生時代に借りていた奨学金の返済と健康保険料、年金の毎月の支払いと生活費…試算するだけで結構な額だったので、それを見るだけでもう退職は無理だ…と一時は思考停止しました。
時間を置いてもう一度計算。会社の退職金と失業手当の給付、微々たる貯金を合わせて1年はゆっくり休めそう!と思ったものの、やはり会社員として安定した収入が途絶えることへの恐怖心から退職する決断が出来ず、だらだらと苦しい気持ちを抱えたまま会社に足を運ぶ日々が1年も続きました。そうしてしばらく尻込みしていたのですが、どんよりとした顔で毎日を生きる私を見かねたパートナーのひろが「生活費くらい面倒みるから、休みなよ!」と強めに背中を押してくれたことでお金への心配が少しずつ薄らいでいき、退職を決断をすることへの後押しとなりました。
(こういう時のための貯金だろうよ…ちゃんとしとけよ…と思われる方がたくさんいらっしゃると思います…そうです…そうなんです…私も恥ずかしいなぁ…と思うことなのですが、こういうことこそ正直に公開することが大切だと思ったので、包み隠さず話します。現在パートナーのひろから受けているサポートは、おかゆホテル事業もしくは私設の奨学金制度のようなシステムで恩送りとして今後わたしと同じように悩む人たちへバトンを渡していこうと決めています。)
②自分の気持ちを否定せずに受け止めてくれる人がいること
在職中、好きで選んだはずの自分の仕事に対して違和感を感じ始めたころ、そのモヤモヤはまだ軽いものだったので、自分の気持ちを愚痴のような形で同年代の友人へ吐き出していました。しかしそんな状態も束の間、違和感を放置すればするほど心が苦しくなっていき、友人に会うことさえ億劫になり…完全な無気力状態へ陥っていました。その状態へ陥ってしまった頃思っていたのは ”ただ、自分の気持ちを否定せずに受け止めてくれる人と話がしたい…”。 そんな調子だったので、当時はパートナーのひろや前社(新卒2年で一度転職しています、このお話も追々)の先輩、大学時代の先輩といった心から信頼できる人を選んで心のうちの苦しさを聞いてもらっていました。過去にこういった転機の際に無作為に自分の思いを話してしまったことで否定されて傷ついたり、「で、仕事辞めてどうすんの?」といった心理的安全性の低い質問をされたことでモヤモヤの沼に沈んでしまった経験があったこともあり、安心して自己開示できる大人が周りにいてくれたことは大きな決断をするにあたって精神的な拠り所となりました。
また、ネガティブな気持ちは人に話さないほうがいい、弱みは見せないほうがいいと昔は思っていたのですが、思考の渦に飲み込まれそうで辛い時ほど、信頼できる人と話す場を設けた方が問題への次のアクションが生まれやすくなることに気がつきました。時として自分の暗い気持ちは話すことさえ辛いことがありますが、言葉にすることで自分が発した内容をもう一度耳に入れるので、「ん?今のは違うな?」と気づけることがあるし、聞いてくれる相手が自分には持っていない視点から質問をしてくれることもあるので問題への見方が広がり、改善策が増えることもあるんじゃないかと思います。
③安心できるひとりの時間/空間があること
先程の②で得られた気づきを自分なりに咀嚼する時間や偽りのない自分の今の気持ちを確認するために必要なのが、安心できるひとりの時間と空間。趣味や好きなものに没頭したり、ひたすらダラダラすること…特に意味はないのだけど、自分は好きで大切だと思っていること。そんな活動をその時間と空間で行うことで自分の本音と繋がることが出来るし、素直になれる気がします。こういった自分による自分のための活動は、とにかく周りの人の目や干渉や意見を物理的にシャットアウトすることが大切です。
わたしの場合はパートナーのひろと2人暮らしなのですが、それぞれ専用の部屋を持てるほどの部屋数がある物件に住んでいなかったので、全ての部屋が共用となっていましたが私は土日休み、ひろはシフト制で平日休みが多かった上、いつもわたしのひとりの時間を捻出しようと気遣ってもらえていたので、ひとりの時間/空間は会社在職中、退職すべきかどうか悩んで苦しんでいた時から確保できていました。日記を書いてみたり、趣味の服作り、料理、ベランダ菜園などの、あまり意味はないけれど自分が好きな創造的な活動をひたすら行うことで自分の気持ちに耳を傾けることに集中していました。②にも書いた通り、悩んで苦しんでいた当時は無気力で、どうしたらいいかわからずに悶々とした日々を過ごしていましたが、そういったひとりの時間/空間があったからこそ、決断に向けての内省が深まったと感じています。
この3つの要素、最低限の生活のお金の心配をしなくていいこと、自分の気持ちを否定せずに受け止めてくれる人がいること、そして安心できるひとりの時間/空間があること。わたしは、たまたま運よくこの3つの要素を周りの人の協力があったことで、自分のペースで、自分の考えに十分に納得した上で人生の転換を決断することができた。ならば、この条件が整う環境をわたしたちが世の中へ提供出来れば、今後、同じように自分の生き方や働き方、人生に違和感を抱えて戸惑う人たちが安心して自分の人生の転換に向き合うことが出来るのではないか?
実体験を元に、そんなことをある時ふと思いついたことでおかゆホテルの構想は始まりました。
現在、人生を休むための退職をしてから3ヶ月。休んだり、悩んだり、怖がったり、興奮したり、喜んだり…日々くるくると変わる自分の考えや感情に忙しさを感じながら日々を過ごしています。当事者であるからこその気づきを活かしたアイデアをおかゆホテルに散りばめていけたらいいなと思っています。
🍚 おかゆホテルって? 🍚
・休職中や離職中の方、または検討中の方
・休学中、就職活動中の方
・今の生き方や仕事に違和感を持たれている方
・人生をふと立ち止まりたくなった方
上記のような人生の転換期を迎えた方がまずはゆっくりと休み、自分と向き合い悩み、次の方向性を決めるための対話を提供するホテルです。
▶︎instagram https://www.instagram.com/okayuhotel/
▶︎twitter https://twitter.com/okayuhotel
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