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専門学校教員として節目の30年目を迎える今年。
これまで幾多の先生に教えを請い、多彩な学生たちと関わり合い、いまのわたしがあります。

けっして順風満帆ではありませんでした。
自分がこれからどう生きてゆけばよいのか、本当に悩んで苦しんで、自分の心が壊れそうになったこともあります。

そんなわたしを救い、導いてくれたのは、信頼のおける上司の言葉でした。


1.教員としてのあり方を導いてくれた


講師ではなく教育者であれ

専門学校教員として駆け出しのころ、自分が教えてもらった経験から「わかりやすく教えること」が先生の使命だと思っていました。
当時のわたしは「内容が良ければどんな受講者もできるようになる」と考えて、よりよいコンテンツを作り上げることに注力していました。
かみ砕いて理解しやすい例を用いて、丁寧に一つずつ説明していけば、きっと学生たちは分かってくれる……と信じていたのですが、現実はそうなりませんでした。

授業の際に内容ばかりに意識が行ってしまい、そもそも受講する学生たちを見ていなかったんですね。だから、学生の体調やモチベーション、持っている知識や個々の実力など、一人ひとりに伝えることまでは想像できていなかったんです。

そんな時に、上長から言われたのが先ほどの言葉です。

よいコンテンツを用いて専門的な知識や技術を教えるのは講師=インストラクターです。でも専門学校は「学校」である以上、「人を、教え育てる」という大きな目標があります。一人ひとりの人間的な成長を意識をして、授業を通じて人を育てるのが教育です。

上長は資格取得や技術習得を目標とした訓練学校から、現在のような技術者や職業人を育成する教育機関へと変革していきたいと考えていたようです。そのために教員は「教育者であれ」と意識づけをしたかったのでしょう。

ようやくこの教えが体現できるようになってきた、と感じられるようになったのは、ここ10年ほどの話です。そのきっかけとなったのがファシリテーションとの出会いでした。


2.ファシリテーターという新たな可能性が広がった


これからの教員はファシリテーターであるべき

いまから10年ほど前、アクティブラーニングが徐々に取り入れられてきたころの話です。小中高において能動的で主体的な学びとしてアクティブラーニングを行う先進的な学校の事例が話題となっていた時代です。

専門学校でも社会人基礎力を高めるための取り組みを模索しており、わたしは就職担当としてグループワークやディスカッションを授業に取り入れながら試行錯誤していました。

そんなとき、前述の上長が言ったのが上記の言葉です。

ファシリテーター?
ファシリテーション?
アクティブラーニング?
初めて聞いたときは「?」ばかりが浮かんでいました。

そこからさまざまな本を読み漁り、研修にも参加し、地元のファシリテーションを学ぶ仲間に加えてもらって自ら体験しながら学び続けました。

その後、日本体験学習研究会の全国大会に参加、コロナ禍でオンライン開催した際は大会の運営メンバーに加わるなど、ファシリテーションとのご縁がさらに大きなものになってきました。
併せてCDA(キャリアカウンセラー)でもファシリテーターとして活動する機会をいただき、一教員では経験しえなかった様々な学びに触れることができました。

現在、わたしの授業スタイルはアクティブラーニングそのもの。そして関わり方はファシリテータそのものです。この10年、日々実践して築き上げてきたわたしらしさが、ここに詰まっていると感じています。

あの時の上司の働きかけが、わたしの人生を大きく変えてくれました。



3.自分を信じて突き進むための原動力


君ならできる

いまも親しくさせていただいている当時の直属の上司からの言葉です。
この方はコーチングを学んでらっしゃるため人を勇気づけることに長けており、わたしが悩むたびに道を示してくださった上司であり恩師です。

わたしがキャリアカウンセリングの道を歩むきっかけをあたえてくださった方でもあり、いまなお全幅の信頼を置いています。

わたし自身がポジティブな言葉を素直に受け入れるタイプだということを見抜いていたのかもしれません… 壁にぶつかるたびに「君ならできる」と背中を押してくれました。

何よりうれしかったのは、自分以外の「誰かに信じてもらえている」ということ。信頼と期待に応えたいという思いが、自分を信じて突き進む原動力なりました。

1年前に大きな決断をして沼津へ転居、転職したときも、やっぱり声をかけてもらいました。

君ならできる―――これからもわたしの力になってくれる大切な言葉です。




こうしてふりかえると、人とのご縁に恵まれてきたと実感できます。

わたしは人格者ではありません。仕事ができる人でも、優しくて思いやりのある人でもありません。
ただ、周囲の方々のおかげで自分なりに成長してきただけです。目の前のことに夢中になって楽しみながら生きてきただけです。

その過程で、わたしをいまあるところへと導いてくださったのは、数々の上司たちです。

今度はわたしがその立場になる番……であったらうれしいかな。
誰かの支えとなり、導きとなるような、そんな存在へと成長していきたいと願っています。
そのためにも、やはり努力は続けていきたいですね。




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