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おかしなこうじやの甘酒

どうも。おかしなこうじやという屋号で変な麹屋をやってます、本間です。

今日は甘酒の話。

甘酒は3種類あって、一つは酒粕を使った甘酒、二つ目は米麹でつくった甘酒、最後はそれら両方を使った甘酒です。

正月に神社とかで振る舞われる甘酒はだいたい1つ目の酒粕の甘酒です。

酒粕をお湯で溶いて、砂糖で味を調えて、仕上げに生姜なんかを入れて出来上がりです。

ほっこりあたたまる甘酒ですが、酒粕にアルコールが含まれてるので、けっこう酒の香りが残ります。
酒粕の質で美味しいかどうかがかなり左右されます。
あと、煮込んでるからアルコール飛んでるという説もありますが、
どれだけ煮込んでも2,3%から下にはなかなか下がりにくいようなので、
度数低めの缶チューハイくらいはアルコール含まれてると思ったほうがよいと思います。
お子さんやドライバーの方は要注意で。
まぁ、そんな大量に飲むもんでもないですが。

酒粕は悪玉コレステロールを減らすとか、内臓脂肪を減らすとか、そんな話もありまして、
まだまだ研究中ですが、健康への効果に期待も寄せられてます。



二つ目の麹甘酒は、米と米麹と水でつくります。

炊いた米と米麹と、水を入れて60度ほどで12-24時間ほど保ちます。

すると、米麹の酵素の働きで米と麹だけで甘い甘酒が出来ます。

あるいは、米麹だけで作る場合もあります。

24時間以上置いても甘みはあまり増えません。

これは麹の持ってる酵素が60度24時間ほどで失活するからと言われていて、
概ねそんな検証データも出てきています。

もちろん、50度で失活させないように長時間保持できれば甘みはもっと増やせるでしょうが、

その場合、雑菌汚染のリスクがあります。

なので、60度で1日というのが衛生面からも妥当だと思います。

麹だけの甘酒の方が甘い、というイメージがあるかもしれませんが、
意外とそうでもありません。

麹甘酒の甘みは、米のでんぷんを分解してつくった糖類の甘みです。
グルコース(ぶどう糖)が麹甘酒の主な糖です。

麹にはでんぷんを分解する力のある酵素はありますが、
分解可能なでんぷんそのものはやや少ないです。

これは製麹中に米のでんぷん質が麹菌の栄養として消費されるからだと考えています。(米でんぷんの老化もあるかもしれません)

その点、炊いた米はでんぷんが豊富なので、分解材料としては十分です。

僕個人の経験上としては、米麹ともち米を使用するのが最も甘みが増すように思います。

もち米はでんぷん質の中でもアミロースが含まれず、アミロペクチンだけが含まれた米ですので、
より複雑なアミロペクチンの方が分解できるでんぷん質の量が多いのではなかろうか、と思います。



さて、話が長くなりましたが、三つ目の甘酒、これは以上の両方を使った甘酒です。

市販の甘酒にはこのタイプのものも割と一般的に存在します。



おかしなこうじやではイベント出店という形で店先に臨時出店させて頂く際、甘酒屋をやります。

おかしなこうじやの甘酒は、米麹100%です。

米麹100%の甘酒はあまり甘くならない、という話をしました。
その中で、おかしなこうじやの甘酒はかなり異端な存在です。

そもそも、米麹そのものは食べてもそこまで強い甘みはせず、
しばらく噛んでいると甘みがでる、というくらいにしか甘みはありません。

ですが、おかしなこうじやの米麹は特別な作り方をしていて、麹そのものが干し芋や蒸し栗のような、ぎゅっと詰まった甘みがします。

米麹の時点でそれだけ甘みを出しているので、麹100%でもかなり甘みがでます。

麹を100%使うより、炊いた米と混ぜてつくったほうが原価も下がるし甘みも安定して出せるのですが、

せっかく麹屋が甘酒つくるんだから、麹100%にしたいよね、ということで泣く泣く(?)全量麹でつくっています。

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