食いしんぼうの公式
2019年の振り返りをしようと思っていた。
ここに行けたとか、あれが出来たとか、そういうもの。
でも記憶を遡り、点をつないでみたら、今年見つけた「公式」について書いておきたいと思った。
36歳になっても尚、私の喜怒哀楽はとても激しい。感情は些細なことで大荒れで、興奮して早口になったり、哀しくて子ども達に「大丈夫だよってして」となでなでを強要したりする。
けれど、この1年はnoteで文章を書き、そういった感情を少しだけ上手に扱えるようになった気がする。文字にすれば、感情のまま人に何かをぶつけたりすることもない。
書くという習慣は、自分をあるべき姿へ整えてくれる。
【note初期】2018年2月~
noteを始めたばかりの頃は、ワーママのもやもやを毒のように吐き出していたりした。携帯のメモに書いたものを、noteのアプリで文章につなぐ。書き終わった後はすっきりしても、しばらくするとそのnote自体を消したくなる。自分で自分の言葉に、呪われているようだと思った。
そうして、短編のような小説を書き始めた。哀しいことも、腹が立つことも、少しだけ救いになるような瞬間を書きたいと思った。けれど今度は筆力が追い付かず、恥ずかしくて消したくなるのだった。
【note前期】2018年10月~
ぽこねんさんに、日常系noterとして、noteの中で紹介してもらった。そうするとコメントが付いたりして、ああ私の何の変哲もない日常を、面白く感じてくれる人がいるのだと嬉しくなった。
その中で、かぼちゃプリンを作った話や肉まんの話を書いていたのだけれど、不思議と自分でも読み返したりした。食べ物に関することは恥ずかしくないし、消したくならない。むしろ食べたくなって、もう一回読みに行く。
そうか、哀しいことも腹が立つことも、私は食べて幸せに消化して生きているんだ。なんとなく、自分の公式をみつけたような気がした。
哀しい、腹が立つ + おいしいもの =幸せ
そうこうしている間に、十八番料理教室を開いているまつしまようこさんを知った。
初めはプロフィールをパッと見て料理研究家の方かと思っていて、そうしたら"教えてもらう”方だと分かって驚いた。
そしてそのnoteがとても美味しそうで、優しい。彼女は人間関係がフラットで、年上でも年下でも敬意を持ってぐいぐい迫る。彼女の強みが、存分に生かされていると思った。
じゃあ、私には何ができるだろう?
私はそもそも、料理がそんなに上手ではない。でも食べることが好きで、家族と食卓を囲む日常が大好きだ。
だからどんなにパツパツでも、急いで晩ごはんの支度をする。本を読んで、常備菜をつくりおきしようと頑張った時もあったけれど、面倒でとても続かなかった。
パパッと、家に帰って30分で作りたい。その時の腹の様子と、家族の様子、冷蔵庫の中身と相談しながら。
食べること × せっかち =瞬殺飯
私の特徴と、好きなことを掛け合わせたら、瞬殺飯ができた。
【note中期】2019年5月~
そんな思いつきから、毎週金曜日にありのままの食卓をさらす「今週の瞬殺飯」を始めた。
日記どころかメモのような、そんな文章が、意外と読んでもらえた。頑張っても料理が上手になるわけでないが、おいしかったものの紹介と、しんどい日の乗り切り方を、出来事そのまま丸出しで書いた。
そうすると、晩ごはんにマクドナルドに行ってしまったりする日があるけれど、読んでくださった方からそれすら良いと言ってもらえて救われた。
さらに、子ども達とのちょっとした会話を書き残すことで、ああ今週も素晴らしかったな…と気持ちよく週末を迎えることができる。
瞬殺飯に、感情を整えてもらう生活が定着した。
【note後期】2019年7月~
夏からは、大阪でのnote関西meet upを皮切りに、子連れシンガポール、note酒場、#うちの瞬殺飯 企画、台湾ひとり旅、転職活動…とやりたいことを詰め込んでいった。更新頻度は高くないけれど、「活字で食べるごはん」という旅用のマガジンも作った。
旅行記×食欲-写真(苦手)= 活字で食べるごはん
それから2019年はコンテストにもできるだけ応募していて、#あの夏に乾杯 では特別賞を頂いた。家族と食に関するエッセイは、書いていて迷いがなく、とても楽しい。
おいしいもの × 家族 =しあわせ
この公式は、揺らぐことが無いだろう。
【これから】2020年1月〜
ただnoteを書き続けるだけで、世界はぐんと広がり、大切な「公式」を見つけた。
2020年も平日の瞬殺飯は続けながら、時々はうちの瞬殺飯も企画したい。会いたい人もたくさんいるし、食べたいものも山ほどある。働くことにまつわる挑戦を、別アカウントで始めようかとも考えている。
2020年も、幸せになる準備はできている。
たとえ何が起きても、おいしいものをたくさん食べさせよう。大切な家族と、大切な自分に。
#2019年振り返り
#noteでよかったこと
#noteのつづけ方
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