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子どものために親ができることとは

野本響子さんの「子どもが教育を選ぶ時代へ」を一気読みし、子どものために親ができることについて改めて考えました。

著者の野本響子さんはお子さんの教育環境を考え、マレーシアに移住されている方。
この本では、マレーシアのみならず、世界の教育の潮流に触れ、英国式インターや国際バカロレア等のそれぞれの教育方針や具体的な教育内容、マレーシアの教育選択の実例を紹介しています。
日本の教育と海外の教育はこんなに違うのか、と視野が広がると同時に、個々人にあった教育を自ら選択する必要性を認識しました。

1.印象に残ったこと

(1)あわなければ学校を変える、という考え方

まず、印象的だったのは、子どもに合う環境に出会えるまで、学校を変えるという親が少なからずいるということ。
環境があえば、自信や明るさを取り戻せる。
逆をいえば、環境があわない、自信や明るさを失う可能性があるのだと、ワクチンの副反応で寝込む母の横で無邪気に遊ぶ子どもの姿を見てしみじみ思いました。
こんなに明るくのびのびと育ってくれていることは本当にありがたいし、この明るさが損なわれないようにしたい。
そのために、必要に応じて環境を変えられる選択肢を親が用意しておく必要があるのだと思います。

(2)安価なオンライン教材がたくさんあること

そして、初めて知ったのは、英語さえ使えれば、自ら学ぶための教材は山のようにあること。
世の中にはホームスクーリングや自習する子どもも多くおり、オンラインの教材も多くあるのだそうです。
具体的な教材の例も紹介されており、世界にはこんなにも安価に手に入るオンラインの教材があるのかと驚きました。
日本では、スタディサプリが月額980円と格安で授業を提供したことが話題になりましたが、英語で学べれば、選択肢はずっと広がりますし、それも子どもの教材に限った話ではないのです。

2.考えたこと

(1)私自身の教育環境

ところで、私は子どもの教育について考えたくて、この本を読み始めたんですが、読むうちに自分が育った環境のことについて振り返っている自分に気づきました。
私は公立の小学校から中学受験して私立の中高一貫校に進み、大学受験を経て国立大に進学しましたが、小中高大とずっと授業を聞いていませんでした。
小中高は勉強は学校外でするものでしたので、聞く必要がほとんどないと感じていたのです。

また、中高では定期テストがありますが、定期テストのたびに、これがなかったら自ら自分のペースで勉強するのに、なんでわざわざ試験を課して邪魔をしてくるんだろう、と思っていました。
今思えば環境があってなかったのだと思います。
興味のあることを、自分のペースで自ら学ぶ。
そして、必要に応じてサポートをしてもらいながら、自ら学ぶ方法を確立していく。
私はそういう環境を求めていたのだと思いました。

そして、自ら学ぶ方法を確立できないまま大学に進学し、大学で挫折。
目的も持たず、主体的に学ぶことが出来ませんでした。
主体的に学び始めたのは、修士課程に進学してからではないでしょうか。

今思えば、親には私と環境の相性を見定めて、適切なサポートをしてもらいたかったんじゃないでしょうか。 
私は、親として、子どもを観察して時には必要なサポートをしてあげたい、そう思いました。

(2)子どもに見せる背中

いくつもの移行を繰り返しながら長い職業人生を送るためには、学び続ける必要がある。

アンドリュー・スコット/リンダ・グラットン 著「LIFE SHIFT2-100年時代の行動戦略」

「LIFE SHIFT2-100年時代の行動戦略」にも書かれているとおり、今は生涯学習が必要な時代です。
また、親が学ぶ姿勢を子どもに見せることも必要でしょう。

私自身、学びたいことはたくさんありますが、

・何のために学ぶか
・学習習慣をどう身につけるか
・まずはじめに何から学んでいくか
・何を教材にして学ぶか
・学んだことをどう体系化していくか
・学んだことをどう生かして行動していくか

など、学びに付随して考えなくてはならないことがたくさんあります。

先ほど、自分の理想の教育環境について、

「興味のあることを、自分のペースで自ら学ぶ。そして、必要に応じてサポートをしてもらいながら、自ら学ぶ方法を確立していく」

と書きましたが、この「自ら学ぶ方法を確立していく」はいまだ途中段階にあると考えています。

今後も試行錯誤しながら確立していくのだと思いますが、そういう経験をしている親とそうじゃない親とでは、子どもの学びに対する姿勢も異なってくるのではないでしょうか。

3.おわりに

子どもには、今の明るさを失わないでいてもらいたい。
自信を持ち、自ら考え、行動してほしい。
切に思います。

そしてそのために、親ができること。
子どもをじっと観察することと、必要に応じて環境を変えることができるよう、選択肢の幅を用意しておくことかなと思いました。

環境があわないのであれば、環境があうところに行き当たるまで、どんどんうつっていけばいい。

というのは、教育だけでなく、働く場もそうなのではないかなと思います。

自分の役割や裁量、人間関係など、適切な環境に身を置くことができれば、自ら学び、行動を起こせる。
専門性によってはなかなか環境を変えることは難しいかもしれませんが、変えてみないと見えないものもそれなりに多いような気がします。

あわなければ「環境を変える」という選択をできるようになっておくことは、のちのちの社会人生活でも役立つかもしれません。
私も自分にあう環境を求めて、環境を変えようかな、と本を読みながら考えたことは、言うまでもありません。

あえて紙書籍で読書。親が読書して学ぶ姿勢を子どもに見せます。


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