見出し画像

日本の母親は助産師から育児技術を学ぶことが苦手?

先日第二子を出産のため、入院していました。
これから自分たちだけでやっていけるのか、退院が不安だった第一子の時とは違い、今回はある程度知識もあったことや、入院中上の子と会えていなかったこともあり(夫のワンオペストレスも心配)、さっさと退院して通常の生活に戻りたいと考えていました。
このような自身の1回目の出産との違いや、入院中のまわりの初産婦さんの様子を見ながら感じた、「妊産婦の育児技術等の学び姿勢」について今日は書きたいと思います。

これから出産を予定されている、どなたかの参考になりましたら幸いです。

1.学びの主導権を持っているか

野本響子さんが、こちらのnoteで「学びの主導権を奪われてきたから大人は主体的に学ばない」という内容のリクルートワークス研究所の記事を紹介されていました。
日本の教育システムのように勉強を強制されて育つと、自発的に学ぶ姿勢が失われる、と。

今回の出産で、1回目の出産と2回目の出産の違いについて感じたことを深ぼりする中で、1回目の出産での育児技術の習得姿勢や学びの深さに思い当たることがありました。
学びの主導権を奪われると、育児技術の習得に影響が出たり、育児の悩みを深刻化させて産後うつにつながりかねないと思いました。

2.初産と2回目の出産の学び姿勢の違い

1回目の出産はわからないことだらけ。
今思えば、知識が不足していたなぁと感じます。

出産での入院が他の入院と違うところは、助産師さんから新生児対応の指導を受けること。
職業訓練学校のようなもので、退院は卒業みたいな感じです。
そのため学校に入っている間に学ぶべきことを学ばなければいけません 。
そうなると、受け身だと色々取りこぼしがある気がします。

特に悩むのは授乳のことでしょう。

・どうすれば母乳が作られるようになるのか、そのメカニズム。
・そのために産前からどういうことをすればよいのか。
・出産後はどういうことを心がければいいのか。
・赤ちゃんが何時間も寝てしまって起きないときは起こすべきなのか、どういう判断軸で判断すればよいか。

知っているか知らないかで、産前や入院中の取り組み方が変わり、最終的に母乳だけで栄養を与えることができるかが変わってくると感じたのです。
また、結論だけでなく、その結論に至る考え方を知っておきたいところ。

というのも、第一子は早々に完母(ミルクを足さずに母乳だけで授乳をすること)を断念しました。
私が思うに、原因は2つあったと思います。
・産前から身体のケア(おっぱいマッサージ)が足りていなかったこと
・入院中から母乳に加えてミルクを頻繁に足していたこと

ちなみに、入院中、助産師さんからの「おっぱいマッサージしてなかったの?」という言葉にグサリ。
こっちはちゃんとやってたつもりなのに、やり方が悪いならそんなのちゃんと出産前に教えといてよ。涙

第一子のとき、母乳+ミルクの混合は、とても面倒でした。
赤ちゃんが泣きだしたら、泣きわめくなか、まずミルクの準備をして、ようやくそこから母乳をあげて、終わったらミルクをあげて・・・
特に夜中起こされての孤独な授乳は本当に辛かった。
今思えば完ミ(ミルクのみの授乳)のほうが精神的に楽だったな。
当時は母乳神話に頭を支配されていたので、少しでも母乳を与えたいとそういう考えには至りませんでした。

その対策として、第二子出産にあたっては、産前からのおっぱいマッサージもしっかり取り組みましたし、入院中に、新生児から求められるままに授乳しまくりました。

その甲斐あり、入院期間中は2回ほどミルクを足しましたが、退院時には母乳オンリーでOKになりました。

第一子の反省があったからこそ今回完母に前のめりでしたが、第一子のときは、「出産したらみんなそのうち母乳がでるようになるだろう」くらいにしか思っていませんでした。

なぜなら。

マタニティクラス(産院で行われる、出産や育児についての知識を妊婦夫婦に授ける勉強会)でそんなことは習わなかったから。

今回、出産後に周りの初産婦さんを見ていても、同じようなことを感じました。

母乳が足らず、授乳後も泣きわめく赤ちゃん。
泣き止まないからと毎回ミルクをもらいに行くお母さん。

あ、授乳後も赤ちゃんが泣いてるからって、そんなに毎回ミルクを与えなくてもいいんじゃないか・・・

何回も授乳したほうが母乳がでるようになるのに・・・
(注:これは私個人の見解です)

その他授乳に関しては、
・搾乳の仕方
・ミルクとの混合を今後どのような考え方で進めていけばよいか
・乳腺炎の予防のためにどういうことをすればよいか
などなど、いろいろ入院中に助産師さんから教わっておきたいことがあります。
が、初産婦(第一子を出産した産婦さん)だとそこまで考えが及ばず。
こういった知識は、こちらから問いかけないと教えてもらえません。

また授乳方針も自分で立てていかなくてはなりません。
母乳育児か、ミルク混合もよしとするのか。
それぞれの病院についての考え方はあると思いますが、母乳1本で絶対やりたいのか それよりも入院中の自分の休息を優先したいのか、自分で決めなくてはなりませんし、その方針に沿った指導を仰がなくてはなりません。

なので、今回はYouTube(「12人産んだ助産師HISAKOの子育て塾」、「助産師はるかの安産塾」)などで事前に予習をして、助産師面談やマタニティクラス、入院中の指導ではその答え合わせをしに行くような感じにしました。

一番大きな悩みは授乳でしたが、新生児との生活での悩みはそれだけではありません。
第一子の時は産褥期(出産して1ヶ月程度)骨盤ケアをおろそかにしてしまって、骨盤周りの痛みに長らく苦しみましたし、新生児の肌トラブルもいろいろありました。
そのため、今回はそれらについても入院中、助産師さんにアドバイスを仰ぎました。

もしこれを、病院任せにして産院の助産師の指導ありきと考えてしまうと、先程の第一子のときの私のように、「こんなこと教えてもらっていない!」となってしまいます。
今思えば、なぜ第一子の時私はあんなに受動的だったのか・・・
冒頭のリクルートワークス研究所の記事のとおり、学びの主導権を持たないまま大人になってしまったのかもしれません。
また、マタニティクラスや入院中の指導など、わりと丁寧にプログラムが組まれていたため、逆にそこに甘えてしまったのかもしれません。
いずれにしても、自分にとっては苦い経験でした。

3.おわりに

ちなみに、いろいろ予習して臨んだ今回の出産でしたが、それでも退院後、わからないことは色々ありました。
乳腺炎で授乳外来に飛び込んで、補習で学んだのもよい経験でした。
結局のところ、新生児育児に関して、主体的に学ぼうとしてもどうしても取りこぼしは出てしまう・・・
それでも自分から学ぼうとしたか、受動的だったかで迷いや悩みの多さはかなり違ってくると思います。

子どもがある程度育ってくると、もうほとんど使わない知識になってしまいますが、この経験からの学びは大事にし、主体的に学ぶことを意識付けたいものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?