アイスブレイクの必要性とやり方
今回はアイスブレイクについて説明しましょう。関連資料は以下をご参照ください。
アイスブレイクは、グループワークに入る前に参加者(特に初対面の人たち)の緊張をほぐすために行う簡単なゲームやワークのことです。グループワークに慣れ親しんだ人(学生としてやった経験がある人、または、教員としてやらせたことがある人)にはもはや説明の必要はありませんが、そのどちらも経験のない人もいるかもしれません。実際、私がいまの部局に着任した10数年前は、「なにそれ?そんなの授業でやるの?」という印象でした。
グループワークを円滑に進めるためにアイスブレイクはとても重要です。できるだけメンバどうしが初対面になるようにグループ編成をした授業や研修などでは不可欠だと言っても過言ではありません。初対面どうしが集まると、普通は簡単に自己紹介をしますよね。それももちろんアイスブレイクの一つですが、そこにちょっとした工夫やゲームの要素を加えることで、盛り上がり一気に「モジモジの壁」を崩せることが可能になります。
アイスブレイクには色々な手法がありますが、私がいまフューチャー・デザインの授業で取り入れているのはシンプルな自己紹介+αのやり方です。αとして次の2つのことを話してもらっています。
グループワークで得意な役割を言う
自己紹介では当然自分のことを簡単に紹介してもらうわけですが、そこにグループワークで得意な役割を加えて話してもらうことで、次のステップで行う役割分担決めがやりやすくなります。例えば、「アイデアを出すのが得意です」「まとめるのが得意で、学級委員長をやっていました」「まとめるのは苦手だけど、司会で回すだけなら得意です」「グループで意見を出すのは苦手だけど、書いてまとめる作業は得意です」「盛り上げます!!」などです。この後で就きたい役割を匂わせることで、その通りすんなり決まることが多いように思います。
2つの真実と1つの「空想」ゲーム
もう一つが、自分に関する3つのこと(ただし、2つが真実で1つが空想)を話して、次に自己紹介する人に空想を当てさせるというものです。時間があれば、メンバ全員に当てさせても構いません。これには色々な駆け引きがあり、話す方も当てる方も頭を使いながら楽しむことができます。そして、空想の自分を考えるという頭の体操が、未来人になりきるフューチャー・デザインの良い準備運動にもなります。
誰が発案したのかは定かではありませんが、この元ネタは「2つの真実と1つの嘘」という名称です。私の授業で「嘘」ではなくあえて「空想」と言い換えたのには、次の2つの理由からです。
1つ目の理由は、「フューチャー・デザインは嘘を付くわけではないから、嘘という呼び方は変えたほうが良いんじゃないか」と西條先生からコメントをもらったからです。嘘には相手をだますネガティブなニュアンスがありますが、フューチャー・デザインはそういう意図は全くありませんので、確かにその通りだと納得して空想という呼び方に変えました。
2つ目の理由は、空想というとなんとなくポジティブで楽しそうなことを考えそうな印象があるからです。空想でなりたい自分を言ってもいいし、「意外にこういうところがあるんだ」ということをさり気なく告白するために空想にみせかけた真実の選択肢を考えてもいいですよね。空想にしたほうが、会話の展開がありそうだと思いませんか。
お手本をやってみよう!!
学生さんに何か少し気恥ずかしいと思われそうなことを課すときは、まず自分から示すのがオススメです。説得力がありますし、学生さんがそれに続きやすくなります。これは、後に解説する「劇場型フューチャー・デザイン」にも通じるものがありますね。
実際私が今年度示した自分の「2つの真実と1つの空想」はこちらです。さて、どれが「空想」でしょうか?当ててみてください。
実は九大唯一の「公認焚き火研究者」
実は芸能事務所に入っている
実は元野球少年でエースで4番打者