理想の自分に近づくために

ホリエモンの「ゼロ」に、「何もない真っ白な自分に、小さなイチを足していく」という言葉があって、数年前からこの言葉を励みにいろんなことにチャレンジできるようになった。

子育てをしている人は誰もが知っているだろうが、赤ん坊のチャレンジ精神はすごい。「失敗したらどうしよう」なんて絶対に微塵も思っていない。目についたものはすぐ口に入れるし、ハイハイもできないのに立ち上がろうとするし、意思を伝えようと言葉にならない言葉を発している。そんなわが子を見ながら、「自分はいったいいつから失敗を恐れてチャレンジができなくなったのだろう」と考える。いつからか、失敗したときのリスクばかり考えるつまらない大人に成り下がってしまっていた。それを変えるきっかけの一つが「ゼロ」だった。

自分に自信をもてない僕は、あまり自分のことが好きではなかった(ない)。
でも、たった一度きりの人生。一生付き合っていく自分という存在を好きになれた方が、絶対に人生は楽しくなる。
自分を好きになる一番の方法は、自分に自信を持つことだ。自信をもつには根拠が必要で、「小さなイチ」を積み重ねた先に自分が思い描く理想の自分がいる。

誰かの講演を聞いたらメモを取り自分なりにまとめてアウトプットする。
集団の前に立って話をする場面で立候補する。
本を読んだら読書メーターに投稿する。
誰かにどう思われるか?ではなく、自分がどうしたいか?を判断基準にして行動する。
初めて任される仕事は積極的に引き受ける。
10年前の自分と比べると、少しは成長できた気がする。時々は振り返って自分の成長を実感することも悪くない。次の行動へのモチベーションになる。

何歳からでも、いろんな経験をして、いろんな人と出会うことで新しい自分に生まれ変わることができる。過去なんて関係ない。「今」を一生懸命に精一杯生きていくことが、自分を好きになる第一歩で、充実した人生を生きることにつながる。

体感で言うと、0~20歳の20年間で人生の半分を終えるらしい。振り返ってみると、確かに20歳までは「初めて」の経験ばかりだった。小学校も中学校も高校も大学も、いろんな人と出会って、いろんなことを学んだ。担任の先生は毎年替わるし、クラスメイトも数年に1回は入れ替わる。自分の体も変化していくし、心も不安定で必要以上に落ち込んだり高揚したりする。「初めて」のことは、わからないからこそ全力でぶつかる必要があって、甲子園球児もAKB総選挙も初めてのおつかいも、その不完全さが魅力であり一生懸命さが見る人の心を打つのだと思う。

大学を卒業して社会人になると、意識しないと「同じことの繰り返し」になってしまう。新しい友達はできにくいし、長年染みついた自分のルーティンはなかなか変えづらい。だから、意識してルーティンから外れた行動、つまり「初めて」を経験することは自分を変える大きなきっかけになり得る。

たくさんの「初めて」を経験して、自分が変わってきた、理想の自分に近づいてきた感覚があるなら、次はそれを「継続」することだ。当たり前のことだが、悪い習慣はやめ良い習慣を継続することがとても重要だ。

そうはいっても「継続」こそが難しいのもまた事実である。「三日坊主」という言葉があるくらい、短期間で継続を挫折してしまう人も多い。何かを継続する時に大切なことは何だろう?

一つおすすめの方法は、「理想の自分」だったらどういう選択をするだろう?と常に自分に問いかけることだ。例えば、ダイエットをしているのに、チョコレートを食べたくなったとする。ダイエットをする目的は「異性にモテたい」だったり「憧れのモデルさんみたいになりたい」だったり人それぞれだろうが、「異性にモテている理想の自分だったら」「憧れのモデルさんだったら」、このチョコを食べるだろうか?と考えるのだ。きっと食べないだろう。逆説的に思えるが、「理想の自分」に近づくためには「理想の自分の選択」「理想の自分の行動」を継続していくことが必要だ、ということになる。

かつてに何かの本に、「長嶋茂雄は布団に入る前に、翌日のヒーローインタビューの場面を想像している」と書かれていて、スーパースターはメンタルが異次元だなと感心したことがある。でも、これは実はメンタルの問題ではないのではないか、というのが最近気づいたことだ。「翌日のヒーローインタビューで華々しくスポットライトを浴びている自分」だったら、朝起きてダラダラTVを見ないだろう。「翌日のヒーローインタビューで華々しくスポットライトを浴びている自分」だったら、人より1時間早く球場に入り体を動かすだろう。こうやって自分を律し、「理想の自分」に近づこうと努力しているのではないか。つまり、メンタルの問題というよりも習慣の問題ということになる。

「小さなイチ」を足して根拠のある自信を手に入れること。
「理想の自分」を判断基準の根拠にして、良い習慣を継続すること。
この2つが、自分を好きな自分になるためにこれから自分自身が頑張っていきたいことだ。

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