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84歳の母が運転をやめた。介護の足音が近づいてきた。

母が運転するのをやめた。
まだ免許返納はしていないけど、もう半年以上、ハンドルを握っていない。

数年前から、テレビでは高齢者の事故が連日のように取り上げられている。
それを見るたびに「他人事じゃないよね」と話してはいた。

だけど、なかなか運転をやめることはできなかったし、家族としても「運転をやめて」とは言えなかった。

というのも、私たち家族が住んでる場所は、すんごい田舎という訳ではないけど、いわゆる郊外と言われる場所で、あまり交通の便が良くない。

最寄りの駅まで、徒歩30分。
その駅に向かうバス停まで、歩いて10分。
そのバス停にバスが来るのは、2時間に1本。
バスの行き先は、最寄りの駅か市民病院の2択。

つまり、車がないと非常に生活しづらい場所なのだ。


母は私が小学3年生の時に、車の免許を取った。
それから35年ほど。
ほぼ毎日、当たり前のように車に乗っていた。

そんなに長距離を運転することはなかったけど、近所のスーパーへ買い物に行くのも病院へ行くのも、習い事へ行くのも、全部自分で運転して行っていた。

ところが、1年ぐらい前からだろうか。
たまに、不安になるような運転が見られるようになった。
母自身も不安があるのか、運転速度もだいぶ落ちたようだった。

それでも「運転やめなよ」とは、なかなか言い出せなかった。
なぜなら「母が運転をやめる=送迎をしなきゃいけない」だったから。
その負担を考えると「もうやめなよ」とは言えなかった。

だから、遠い場所へ行く時は、私か父が送迎するけど、近くの病院やスーパーへ行く時は、心配ながらも「気を付けてね」と言って送り出していた。

習い事の場所は少し遠かったが「自分で行くから大丈夫」と言い張る母に「じゃあ、着いたらLINEしてね」と言い、到着したというLINEが来るとホッとした。

母としても、そうやって自由に動ける方が良いからと、そのまま運転を続けていた。

でも、母も84歳を迎える。
大きな事故を起こす前に、運転は諦めてもらわなきゃいけないな…。
そう思っていた。


すると、誕生日を迎える少し前、今までなら自力で行っていた近くの病院に「ちょっと手が痛いから送って欲しい」とお願いされた。
「いいよ」と送迎したら、翌週も「今日もお願い」と頼まれ、そのままなんとなく、運転することがなくなった。

あれから半年以上が経ち、いつの間にか「母は運転しない」が当たり前になった。

おかげで「買い物行きたいんだけど」とか「明日は病院行きたい」とか、全部送迎しなきゃいけなくて結構大変。

そして今までは、母が出かけている間、家に1人になれて、それがいいリラックス時間だったのだけど、それもほぼなくなり、結構大変。(2回目)


とはいえ、母も今までみたいに自由に出かけられなくて、窮屈だと思う。
出かけたい時に、いちいち人に頼まなきゃいけないのも、うちの母といえども多少は気を遣うと思う。多分だけど。

だから、週に何度かは足になってあげたいと思う。

でも、たまには、タクシー使って出かけてくれたらなって思ったりもする。できれば、行政から月に何枚かタクシーチケットがもらえたらいいのになぁ。


さあ、次は父だ。
まだ70代だけど、永久に運転させるわけにはいかない。

母よりも「運転」を手放すのは苦労するだろうなと思う。
さあ、どうするどうなる。

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