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17歳の自分に会えたなら、私は何を伝えるだろう。

今日、友達が出演する舞台を観に行った。
市が運営している演劇のワークショップからはじまった、劇団の公演。
タイトルは「待ち逢いレストラン」。

その中で印象的なシーンがあった。
それは、67歳の女性が17歳の女性と会話をするシーン。

17歳の子に向かって「やっと会えたわ、50年前の私」と67歳の女性が言う。

どうやら、未来の彼女(67)が、現代の彼女(17)に会いにきたらしい。

「あのね。今、いろいろ大変で苦しいでしょ。でもね。大丈夫だからって伝えたかったの」と未来の彼女。

「これからいっぱい楽しいことがあるから。子供と公園で遊んでる時に…」
「子供がいるってことは、私、結婚できるの?」
「できるのよ〜」
「相手は?どんな人?」
「それは内緒。教えたら楽しみがなくなっちゃうでしょ。でもたくさん恋もするわよ。楽しい恋も辛い恋も」

そして未来の彼女は「だから、自分を信じて、めいっぱい楽しんで」と言い、現代の彼女は「うん、分かった」と頷いた。


それを見ながら、もし今の自分が17歳の私に会ったら何を話すだろう…と考えた。

今までも、「もしも過去の私に会えたら」と妄想したことは何度かある。(みんなあるよね?え?ないの?)

「◯◯大学を目指してるかもしれないけど、もう少し頑張って違うところに行ったほうがいい。できればあの大学とか」
「とっとと家を出ろ。海外に行きたきゃ行けばいい。親のことは気にするな」
「バブルが崩壊すると父に伝えろ」
「なんでもいいから一度結婚しとけ」

など、今世で自分が成し得なかったことや、選択を間違えたと思うことを伝えて、正しい方向へ進めようと思っていた。

だけど、今日の舞台を見て、それってものすごく大きなお世話だよねと思った。

そりゃあもちろん「こうしておけばよかった」「あっちを選べばよかった」という後悔はいくつもあるけれど、もしも違う選択肢を選んでいたら今よりも幸せだったのかと聞かれたらなんとも分からない。

それに今、私はまあまあ健康だし、何しろちゃんと生きている。
「幸せか」と聞かれたら「まあそれなりに」って感じだけど、決して不幸ではない。と思いたい。


だったら私も彼女のように「しんどいことも色々あるけどさ、ちゃんと楽しいこともいっぱいあるから。自分のために人生めいっぱい楽しんで!」と伝えたいと、ただエールを送りたいとそう思った。

そしてきっと、67歳の私が今の49歳の私に出会っても、きっと「人生楽しみなさいね」と言ってくれるんじゃないだろうかとも思えた。

「あちこち痛いけどさ。まあ生きてるし。あんたも頑張りなさいよ。色々あるけど人生捨てたもんじゃないわよ」とか笑ってくれるんじゃないだろうか。
もしかしたら「想像できないかもしれないけど、ここから面白い人生が待ってるわよ〜!」とか言ってくれるかもしれない。

その私を作っていくのは、ここからの私だ。

過去の自分に誇れるように。
胸を張れるように。
人生を歩んでいこう。


笑って泣いて、とても良い舞台だった。
いい機会をくれた友達に感謝。

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オカダトモコ 旅が好きなライター / カメラマン
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