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NHKドラマ「3000万」が、非常に大変面白い件。

友達から「今期のドラマ、どれ見てる?」と連絡がきた。

私が今回一番ハマっているのは、なんと言ってもNHKドラマ「3000万」だ。
とにかく面白い。
ハラハラドキドキが止まらない。

話の入り口はこんな感じ。

コールセンターで働く派遣社員の主婦(安達祐実さん)が主人公。
元バンドマンで楽観的な夫(青木崇高さん)と、小学生の息子の3人で郊外の一戸建てに暮らす。
息子のピアノ発表会の夜、家族を乗せて運転していた車がバイクと事故を起こす。
そのバイクに乗っていたのは、闇バイト強盗の犯人である一人の女性。彼女は3000万円を持って組織から逃げていた。
彼女が事故で意識を失っている間に、その3000万円が入った鞄を小学生の息子が持って帰ってきてしまい…。

ここから、いくつもの選択肢がある。
たとえば「お金を警察に届けるか・届けないか」「お金を使うか・使わないか」「事故相手の女性が入院する病院へ行くか・行かないか」など。

本人たちは、その時々の最善だと思うもの(時には「これしか選べないもの」)を選んでいくのだけど、それが少しずつ間違ったりズレていたり、また予想外のことが起きたりして、思いもよらない方向へ進んでいく。

結果、3000万円を取られた犯罪組織と、強盗事件を調べる警察の包囲網が、少しずつ彼ら家族に近づいてくる。
逃げ切れるのか、逃げ道はあるのか。
そのじわじわとした恐怖がとてもテンポ良く、またNHKだからCMがないこともあって息もできぬままに進んでいく。

どこにでもありそうな普通の家庭の、どこにでもいそうなひとりの女性が、少しずつ少しずつ追い詰められていく様はなんともリアルで怖い。

最近は闇バイト強盗もよくあるし、どこかで本当に起きてるんじゃないかとすら思えてくる。


そんなハラハラドキドキ展開が続くドラマなのだけど、青木崇高さん演じる夫のクズっぷりも見どころのひとつ。

もう!本当に!どうしようもないポンコツで!腹立たしいのよ!(笑)

「楽観的」といえば聞こえはいいのだけど、彼の発言や行動に向かって何度「ねえ、バカなの?」と言いたくなっただろうか(多分2〜3回は本当に言ってる)。

お金は使わないって決めたのに、勝手に新しいギター買ってきちゃうし、自分にはギター買ったから嫁には高いフライパン買ってきちゃうし(このくだりは本当に秀逸だった)、仕事は突然辞めてくるし、すぐギター弾きながら歌うし(ウザすぎる)、もうとにかく全然危機感がなくて、もし目の前にいたら私キレ散らかすわ!というぐらい腹立たしい。


余談だけど、この青木崇高さんを初めて知ったのは、2012年に放送された同じくNHKのドラマ「はつ恋」だった。

主演が木村佳乃さん。
その夫「潤ちゃん」役が青木さんだった。

あれは本当に良かった。
今回とは真逆の誠実で優しい夫だったのよ。
そして、このドラマで私は青木さんのファンになって、優香ちゃんと結婚したと聞いた時、結構ショックだったのよね。
あれがもう12年も前の出来事だったなんて…年もとるはずよね…

という余談は置いといて。


実はこのドラマ「3000万」は、NHKの新しいプロジェクトで誕生したドラマだそう。

それが「WDRプロジェクト」。

WDR(Writers' Development Room)は、「脚本開発に特化したチーム」です。(略)
今回、当プロジェクトでは応募総数2000以上の中から、脚本家10人を選出。連続ドラマの第1話を19本仕上げ、2023年5月に解散しました。
そして19本の中から「3000万」の制作が決まり、脚本家4人を再召集し、ライターズルームを結成。展開に行き詰った時も、共に悩み、互いのアイデアを掛け合わせ、各々の持ち味をかけ算することで、より完成度の高い全8話の脚本を9か月かけて完成させました。

2000人の応募から10人の脚本家を選び、連ドラの1話を19本書いてそこから選ばれた1本がこの「3000万」らしい。

それは面白いはずだわ…!


ということで、NHKドラマ「3000万」。
毎週土曜日の夜10時から。
もしよろしければ、ハラハラドキドキを味わいませんか。

見逃しちゃっても、1週間はNHKプラスで見れるから大丈夫。

今週土曜まで4話が見られます。
全8話だから、まだなんとか間に合うかも。

また今ならこの「土スタ」で、1話から3話までを振り返っているので、ざっくりと内容を振り返ることも可能。

さっき書いたフライパンのシーンも登場するので(15:00ころ)ぜひ。
絶妙にイラッとするから(笑)


さいごに。

最近はドラマが量産されているけど(深夜ドラマとかめっちゃ多いよね)、こうやって丁寧に脚本から作られた作品は、やはり面白いものなのだなあと実感している。

全てのドラマにここまで時間(とお金)はかけられないだろうけど、時々はこういうのを作ってほしい。

テレビ関係者のみなさま、どうかよろしくお願いします。
ドラマ好きより。



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