伝えることが出来ないこともあるんだなと思う。そう思うようになったのは、もうずいぶんと前のことだ。
ル=グウィンは、ロード・ダンセイニの作品中の《内陸》(イナー・ランド)を「わたしの故郷」と呼ぶ。ル=グウィンと私とは、時代も環境も世界観も異なるけれど、もしかしたら同郷かもしれない。
ル=グウィンの「夜の言葉」の「モンダスに住む」にこんな一節がある。
「見つめる眼」ではトールキンを引用しながらこんなことを言っている。
もっとも、ル=グウィンは私と違って、退却系ではまったくない。
この基準からすると、なんとなく「逃げるは恥だが役に立つ」を観てしまう私はすっかり退却系だ。
それはそれ。