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不感症

こんばんは。
わたしは今、なにも思い浮かびません。
いい企画が書けません。
感情型のコピーならかろうじていけるかもしれないと思いつつ、それもきっといつもよりできないと思います。

現在わたしはフリーランスで、主にCMプランナーとコピーライターをしています。
フリーランスは自分の裁量で仕事ができるので、
たとえば今日(月曜)も明日(火曜)も子どもたちの小学校がお休みだったとしても在宅で対応することができます。そう考えると気楽ですよね。


いまは以前の職場からそのまま継続させていただいている案件と、完全にフリーとして受け持っている案件があります。
以前の職場からのものは、その職場自体が優秀な人材の集合体なのでわざわざ私がやる必要はないのですが、上長の計らいで継続させてくださっています。

きっと上長も、私をこの場に残すために色んなところに頭を下げてくださっているはずです。だから、その顔に泥は塗れない。


そのため、インプット量も増やし、興味の幅も以前より広げているはずなのですが、以前だったら例えば映画を数分見るごとに「この切り口いいな」とすぐメモできるところ、今はなぜか不感症です。

一応、メモはします。
「ここ面白いな!」って思うこともあります。
でも、そこを企画に落とし込むときの強さが足りない。

インスタやXなど、不特定多数の知り合いが見る場ではとても明るく充実した日々を綴っていますが、このnoteだけは弱音を吐かせてください。



まず、なぜ現在「不感症」なのか。
完全にプライベートが原因です。

先週の企画出しの資料を作成していたときは、
祖父母宅で日中は子どもと遊び、夜は2時間おきに寝たきりの祖母の”褥瘡(じょくそう)”対策で体勢変えとおむつ替え、痰の吸引をしていました。
あいだの2時間、眠れたら多少はラクだったのですが、寝てしまうと起きれないと思い緊張感から眠れませんでした。

隣の部屋で寝ている祖父は安定剤を飲んでいるので一度起きたらなかなか眠れなくなります。なので、祖母が褥瘡や病気の痛みで目を覚まし「痛いよ〜」と泣く声で目が覚めたらいけないなとも思いました。
優しい祖父は、愛する妻の痛がる声を聞くと、さらに眠れなくなるだろうなと。

私より先に祖父母の家に来ている母は、私より長く夜間の看護をしていてぐったりしています。なので、なるべく母も寝かしてあげたかった。

それでも母は頻繁に起きて「おばあちゃんの声が静まったら逆に心配だから、都度呼吸を確認しなきゃ」と、ずっと起きていました。

子どもたちを自宅で見る人がいないため、学校を休ませて一緒に連れてきていました。
遊び盛りの小学生3人。ろくに外に遊びに連れていってあげることができないのでストレスも溜まり、体力を持て余しています。
祖父母宅でひたすら兄妹ゲンカをし、階段から滑り落ちる遊びをするので騒音がすごい。疲れた体でソレは誰しもがイラっとするし、本当に申し訳ないと、いたたまれない気持ちでした。

日中は、子どもたちを鎮めながらPCに向かい、企画を書く。
全く集中できません。


子どもたちの学校の予定もあるので一旦自宅に戻りました。
夜の20時ごろ到着し、翌日も学校なのでひとまず子どもの明日の準備をして寝かしつける。
そして、私のいないあいだ一度も洗濯をしていないであろう夫の洋服を何度かに分けて洗いながら、これまた夫が台所のシンクに残しているカピカピの食器を洗い、その辺に散らかっているゴミを捨てます。

翌日11時からは案の持ち寄り会議です。集中して企画を練れなかった分、朝までリサーチと資料作り・修正を行いました。

案数だけは少しあったので「この中のものもブラッシュアップできたら」となりましたが、他の仕事や新たに始めることも同時進行で行っていたため、クオリティはかなり低かったと思います。ただ、緊張感とやる気に"は"満ちていました。

ここ数日は、最近の遅れを取り戻すために集中してやりたかったので、最低限の家事しかしていませんでした。
子どもたちの習い事の送迎、食事作り、洗濯…。

夫は夜中の3時〜朝方に帰宅します。
帰宅するたび夫は子どもたちの散らかした部屋を見て舌打ちをします。
今朝は浴室乾燥で干していた洗濯物を見て舌打ちしながら無造作にハンガーから衣服を外し、綺麗になった洋服を床に投げていました。
お風呂に入りたかったのに洗濯が干されていて腹がたったのでしょう。

浴室のハンガーが浴槽にたくさん落ちているので、私がそれを拾い上げながら片付けていると急に夫がお風呂場のドアを蹴りながら「お前、今オレの悪口を言っただろう」と怒鳴り込んできました。

私は基本、夫が不機嫌のときは無の感情になっているので、なにか言い返すこともありません。なので今朝も「またか」と思いながら無言で処理をしていました。

ここ数日、最低限の家事しかしていなかったせいで、排水溝の掃除もできていませんでした。昨日食事を作ったあとの生ごみも、三角コーナーに入れたままにしていました。それに気付いた夫は、何をしていたのか正確なことは分かりませんが壁を何度も蹴るような音がキッチンから聞こえてきました。

「俺より長く家にいるんだから、これぐらいしろや」
「腹立つ、もういい」
と大きな声で独り言を言っています。

見かねた長女が夫に
「気付いた人がやればよくない?」と言いました。

「いや、ママはいつも家にいるだろ?俺はいつも家にいないんだから、これぐらいちゃんとやるべきだ」
「ママの方がおうちにいるけど、でも、気付いた人がやればいいんじゃないの?」
「なんでこんな、生ごみを捨てるぐらいできないんだママは。1分で終わるのに」
「1分で終わるならパパやればいいじゃん」
「なんで俺がやらなきゃいけないんだよ」
「ママは色々やってくれてるよ」
「ママが何をやってるんだ、もういい、俺はなにもしない」
「なにもしてないじゃん」


娘が夫に対抗してくれているのに、当の私はなにも感じません。
娘、いつも見てくれてるんだ、ありがとう、という気持ちはあります。
夫から見るといつも私は「何もしていない人」で、
十何年そう思われ続けているので、もう仕方のないことです。
悲しくなるときもあれば、何も感じないときもあります。

「何も感じない」というのは、
きっと心や体には影響があるんですよね。
何も感じておらず心は平穏なはずなのに、いざ何か考えようとしても何も思いつかない。

下手すると「何かを好き」「誰かを好き」という感情も、あれだけ興味のあった食に関しても、何にも興味がわかなくなる。

一番の問題は、プライベートだけでなく仕事に対しても同時に不感症になってしまうのです。


昨日の日曜日、
提案資料の修正したものを上長に送りました。
今日「ハンオンさんの企画、以前に比べて若干踏み込みが弱くなってる気がします」と連絡がきました。

「自分でもそう思います。すみません。」

おそらく私の「不感症」は、
自分のダメージを極力減らすために、外界の情報を自分の中に取り込まないようにしているのだと思います。

自分の保身に対する部分だけ見ると良いことかもしれませんが、クリエーティブ業務のことを考えると、それは完全にマイナスでしかありません。
なによりも大事な「創造力」と「インプット」の機能が働かなくなるのですから。


とにかく今は、私に仕事を振ってくださってる方々に対する申し訳ない気持ちでいっぱいです。今すぐにでも感覚を取り戻したい。

会社に守られていないフリーランスは、能力がないと次が見込めないというプレッシャーもあります。固定給じゃないので、フィーにも影響するでしょう。そうすると3児を育てるためのお金が足りなくなる。
子どもたちの学校、習い事、学童、学用品、衣服、食事にかかるものは私が担当しています。

そしてやはり一番大きいのは、上長の顔に泥を塗ることだけはしたくないということ。
どうにかして「これいいじゃん!」と言われるものを提案したい。
「ハンオンを雇って正解でした!」という声を上長に聞いてほしい。
そして、喜んでほしい。


そのために、しっかり頭を休めて、楽しくインプットをします。
今日から。今から。
がんばります。

私は、こんなもんじゃない。



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