詩 『湖に住んでいる幽霊』

それはひらけた湖の
とある朝。
いつもきょろきょろしている
おっちょこちょいな幽霊さんは
たまにこうやって歌っているのだ。

『穏やかな太陽さん、どうもありがとう。
Sunday & Monday
“スタッタ・ラ・フィエスィタな気分”ね。
自由な幽霊暮らし、どうもありがとう。
Tuesday & Wednesday
“スタッタ・ラ・フィエスィタな気分”ね。』
あぁ今日も良い一日が始まるのさ。
合図は君らのクックドゥードゥードゥー。

人間だった頃を忘れた幽霊さん
それはそれで悲しいけれど
朝日を見ちゃえばヒュルルっ。
楽しかった頃を思い出した幽霊さん
戻れなくて悲しいけれど
朝日を見ちゃえばヒュルルっっと。

『緩やかな太陽さん、いつもありがとう。
Thursday & Friday
“スタッタ・ラ・フィエスィタな気分”ね。
自由な幽霊暮らし、嬉しいな、やっぱ楽しいな。
Saturday 回って Sunday
“スタッタ・ラ・フィエスィタな気分”だ。
良い一日が始まるのだ。
だから今日には僕がいなくっちゃ!』

いやまぁそりゃもう、
湖から見たら悲しい幽霊さ。
いやまぁそりゃでも、
湖から見たらだけどね。

それはひらけた湖の
とある朝。
いつもきょろきょろしている
おっちょこちょいな幽霊さんは
たまにこうやって歌っているのだ。
湖の上で歌っているのだ。

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