略字の世界~その1~(漢字の分類とか)
筆者は、この記事を最近読みました。
日本語を学ぶスウェーデン人の女性(漫画家)。彼女は勉強熱心で、日本の文化も広く学び、漢字も大分と習得しているにも関わらず、「間」の略字が長年読めなかった、という話。
私たち日本人は、通常に習う常用漢字以外にも色々と混ぜこぜに漢字を使っています。自分が書かなくても、見たことがある、読むことはできる、というものも多いと思います。
上の「間」の略字もほとんどの日本人は読むことができるのではないでしょうか。それはおそらく、外国人が楷書体のみによって文字を覚えるのに対し、日本人は楷書体に限らず少しくずれた行書体に見慣れているのも理由と考えられます。
漢字は海!大海原!沼!深淵!と毎度思うわけですが、今回は「略字」について取り上げてみたいと思います。
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略字とは
さて。
略字は、ざっくり言えば、正式な文字から省略が行われた文字。
でも実は、略字の語義を真っ向から説明しようとすると結構大変。”正式”って何?という話がまず難しい。時代によっても、中国と日本においてもまったく異なるからです。
かなりややこしいのですが、少しだけ説明しておきます。
漢字の分類
小中学校で習う漢字、すなわち常用漢字は2136字。それに加えて名づけに使える人名用漢字は863字。基本的にこの約3000字の文字数(+ひらがなカタカナ等)で、私たちはほとんどのメディアで見る文章を読みこなしています。
しかしながら、漢字は総数は5万とも6万、それ以上とも言われます。通常使う漢字の他にも沢山たくさん漢字が存在するのです。
常用漢字、正字、俗字、新字体、旧字体、繁体字、簡体字、異体字・・・漢字をカテゴライズする言い回しは色々あって、本当にややこしいもの。略字はその中でも何らかの”正式”ではないもの、とは言えるでしょう。
以下、ざっくりまとめておきます。各種字体について「国」「体」「渋」「谷」という文字を例に挙げておきます。
略字は原則的に、行政文書、教科書、テレビなどマスメディアなどで使われることはありません。
ここからは実際の文字で、イメージ掴んでみてください。
「間」
まずは冒頭の「間」。日常で実際に最もよく見かける略字のひとつと言えましょう。
そして先ほども見た通り、「間」の略字はこれ↓↓ フォントで表示することはできません。また、略字であり俗字であり、異体字とも言えます。
門構えって書くの面倒だよねということで、「間」に限らず、「門」「聞」「関」などの門構えの字も同様の略し方をします。
ちなみにこの略字や中国の簡体字は、「門」の字の行書体からこのような略字が作られていると考えられます。
(ひと口に行書体と言っても書き方は様々あり、これは一例です)
「曜」
曜日の「曜」。これ以外で使うことはあまりないかもしれませんが、曜日は日々のことなので日常的に頻出漢字で、書くこともそれなりにあると思います。
「日𫞂日やってます」「火𫞂までによろしく!」など見かけたことがある人も多いのでは。横画ばかりで鬱陶しいので、簡素に「王」としてバランス的に最後点を打ったのかな。
「第」
第〇回など、こちらも比較的日常に目にする漢字。
「第1回」を「㐧1回」と書くことはままありそうですが、「及第点」を「及㐧点」とは書かなそうなイメージ。
ちなみにこの略字は、草書体から作られています。
「職」
職員室、退職、職務など、度々使いますが如何せん画数が多い!
なぜ耳偏に「ム」になったかは不明。まあでもかなり使い勝手良いのでは!
「魔」
あまり書くことがない漢字かもしれませんが。
そして略字も出すことができませんでしたが、なんとまだれの中にカタカナのマ。筆者は実際に見かけたことはありません。
「魔」は「マ」と読むのだから、まだれと「マ」でいいじゃん!と誰かが使い始め、賛同を集め広まったのでしょうね。
ちなみに、「摩」も同様の略字を使うことがあるようです。
「機」
画数の多い文字が続きます。略したいわけなのだから当然。
こちらも略字は表示できず。そして筆者はこれも実際には見かけたことはありません。知らずに見たら、ぱっと見「ネキ」ネット用語かなと思ってしまいます。
「機」は「キ」と読むから木偏に「キ」。「魔」と同じパターン。カタカナ便利説。
さて、次回はもっとぶっ飛んだ?略字をご紹介していきたいと思います。
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