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箱の外の世界は鮮やかに輝いて見えた。


だいぶ昔の本ですがとても好きで、年1くらいで読んでます。週末久し振りに読み直したので読書メモ。


我々がこの世で受ける苦しみは、それぞれが脈絡なく発生しているようでいて、実は複雑にからみあった糸のように相互に影響しあっていることが多いのですね。そしてその根本の原因を作り出している発生源が、他ならぬ自分自身のものの見方であることが人生においては存外に多いのかもしれません。(監修者まえがきより)


簡単に説明すると人間関係の啓発書なのですが、わたしがこの本を好きなポイントは、内容が解説ではなくストーリーになっているところ。ほぼ小説です。

(※わたしはHBDI赤振り切れ人間なので好みでしたが、利き脳によってはスパッと解説してある本の方が読みやすいかもしれない)


 あらすじ:物語の主人公・トムは、業界トップの業績を誇るザグラム社に1ヶ月前に転職してきたばかりの期待のエリート。ある日彼は専務副社長のバドに、”ザグラムにとって非常に重要”だという1対1のミーティング研修に呼ばれます。ニコニコと笑顔で迎え入れられたトムが開口一番にバドから告げられたのは、「君には問題がある」という衝撃的な一言。動揺し混乱するトムに、バドはザグラム社の成功の秘密である「箱」について、丸2日かけてじっくりと紐解いていきます。


バドやトムの職場や家族との人間関係エピソードは「あるある〜」と頷けるシチュエーションばかり。まるでトムといっしょにバドのミーティングを受けているような気分で、人間関係を悩ます「箱」についての理解を深めることができます。

自分のメモ用に下記に内容をまとめますが、興味のある人は実際に読んでみてもらった方が良いです。本に書いてある情報だけでなく、実際にバドのミーティングを追体験しながら「自分はどんなことを考えたか」の方が、この本では大切なことだと思うので。


わたしがこの本を読んで良かった点は、自分も箱から出なければ!と思ったことはもちろんですが、箱という概念を手に入れたことによって、自分のまわりで箱から出ている人たちの行動がキラキラと鮮やかに見えるようになったこと。トライバルはホントにナチュラル箱の外人間ばっかりで毎日楽しいです。

(そしてそんなトライバルでいっしょに楽しく働く仲間は随時募集中!)



以下、読書メモ。


「箱」ってなに?

箱とは、哲学用語でいう「自己欺瞞(自分を欺いている状態のこと)」のこと。「ピタリと閉じた箱の中に入り込み、周りから遮断されて、何も見えなくなって」いる状態。


いつ箱に入ってしまうのか

例)電車で目の前にお年寄りが立っている。席を譲ろうかな?でも徹夜明けですごーく眠い。しかも今日は超重要なプレゼンがある。この通勤は自分にとって貴重な睡眠時間なんだ。それに隣の元気そうな高校生きみはたくさん睡眠とっているだろう。お年寄りには席を譲るんだぞ。まったく最近の若者は。親は一体どんな教育をしているんだ。…

自分の感情を裏切ると箱に入ってしまう。そこを起点に次々と問題が起こり始める。いろんな問題の起点は「自己欺瞞」であり、箱の中から物事を見ることで、あるがままを見ずに歪んだ目でみてしまう。

自己正当化:
箱の中にいると外の世界が歪み、矛盾が生じる。自己を正当化するために、相手を非難するようになる。箱の中にいると、「自分が本当に望むもの」すらわからなくなる。

例)ケイトはグレた息子に、もっと責任感のある良い人間になって欲しいと思っていた。ある日「車を貸して欲しい」とお願いされたケイトは、「10時30分までに返すなら」という条件付きで許可した。普段の行いから、10時30分に帰ってくるなんて無理だろうと思ってワザと早めの門限を言ったのだ。しかしその日、10時29分に息子は帰ってきた。ケイトはガッカリした。「ちゃんと約束を守っただろう」という息子にケイトは「そう、でももっと上手に駐車しなきゃね」と嫌味を言った。

共謀:
人は相手が自分のことをどう感じているか察知して、それに対して反応する。自分が箱に入っていると、相手もその箱の存在に無意識的に気づく。その結果、相手をも箱に入れ、共謀してお互いを非難し始めるようになる。


箱の外に出る方法

箱の中にいると、コミュニケーションが上手であろうとなかろうと、こちらに箱があることが相手に伝わる。スキルやテクニックは役に立たない。どんなに小手先の行動を変えても、結局は相手のためではなく自分のためだから。 自分のことを考え続けている限り、箱の外には出られない。じゃあどうすればいいのか?
箱の外に逆らう(自分への裏切りや自己正当化)のをやめると、その瞬間に箱から出ることができる。つまり目の前の人の「他者性」を受け止め、相手を人間として尊重すること。


箱の外に留まり続ける方法

箱の外に出ている時に、「自分が他人に対してなすべき」だと感じる感覚を大切にすること。箱の外で接することができる人との関係を大事にすること。


組織・リーダーにとっての箱の外の重要性

箱の中にいると自分に気持ちが向いてしまい、結果に集中出来なくなる。自分が箱の外だと、まわりの箱の存在に気づける。自己正当化をする必要はなくなり、辛い状況を悪化させず、よい方向に持っていくことができるようになる。

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