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価値観を軽視するということ。

”woke(ウォーク)”という英語のスラングをご存知ですか?

woke(ウォーク):【形容詞】ウォーク
社会問題にしっかり意識が向いている状態。wake(=目を覚ます)の過去分詞からきていて、「覚醒している」といった意味。(中略)丸腰の黒人が市民や警察に射殺される事件が相次いだ2014年前後から広く知られるようになり、意味も徐々に拡大。今では人種問題にとどまらず、LGBTや女性問題などさまざまな社会的不当も含め、はっきりと問題意識をもっている人を指して「誰々は woke だ」などと言うようになった。


今年のカンヌライオンズで、ユニリーバのCEOアラン・ジョープ氏がwokeな人たちの考えや気持ちを軽視し、踏みにじるような行い="woke-washing(wokeなフリ)"への危機感について言及しています。


記事によると"woke-washing"とは、企業活動において言葉を裏付ける行動のないままに、価値のあるような言葉や画像を使って売り上げを伸ばそうとする行いのこと。


近年、企業が社会や生活者に対して示す存在意義や存在目的として「パーパス」というものが重要視されてきています。

【パーパス】社員やスタッフが良い仕事ができるように、組織が顧客(企業の場合)や、学生(学校の場合)や、患者(病院の場合)の生活にどんな(良い)インパクトを与えられるのかを明確に表現するもの。

ですが、多くの大企業が、自身をパーパスを持った(もしくはパーパスのようなものと絡めた)「”woke”と見せかけるようなマーケティング」で炎上しています。

上の記事の中で、賛否の議論を巻き起こした”woke-washing"として紹介されている海外の広告事例をいくつか紹介しておきます。


日本でも、"woke-washing"で炎上した事例は記憶に新しいと思います。


いま、SNSでは毎日のように個人間での意見交換がなされ、ときにバズり、日々議論や炎上が巻き起こっています。
それだけ社会や個人の意見が可視化され、多くの人の目に触れるようになったという事で。たくさんの人達といろんな思考を共有することが出来る、それ自体はとても良いことだと私は思っています。

ただ、これだけ多様な価値観を持つ人々が、自由に発言し、考えを表明できる令和な時代。企業だけでなく、個人においても、大切なのは自身の行動や発言に伴う責任を忘れないこと、そして自分以外の人に対する想像力を働かせることだと考えています。


『意識高い系』というのは、要するにファッション感覚なんですよ。風通しのいい自分の思想に酔っているだけで、口にしている問題意識や責任感は持ち合わせていない。(記事より引用)


海外の事例や反響などをみていると、日本は本当の意味での"woke"に該当する概念が根付いていない状態で、"woke-washing"にあたる情報や感覚のみがジワジワと蔓延しているように感じます。


他者の思考や感情を軽視せず、誠実に向き合い、想像力を働かせる姿勢を忘れてはいけないと、自身の心に刻んだ週末でした。



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