見出し画像

煙管はじめました。六服目 2025年1月19日

59歳。喫煙歴なし。煙管はじめました。


新・暴れん坊将軍

2025年元日。煙管初めを終えた夜。
新・暴れん坊将軍」が放送されました。

これまで「暴れん坊将軍」を視たことがなかったのですが、今回はぜひ視たかった。予告編で、GACKTさん扮する徳川宗春が長煙管を持っていたからです。

徳川宗春が長煙管を吹かしながら城下を練ったという逸話は有名ですが、思い出すのは、村上元三の短編小説「尾張様の長煙管」です。

尾張様の長煙管

本作は、ひょんなことから、徳川宗春の長煙管の担ぎ役を命じられた足軽の数奇な運命を描いた物語です。

宗春の長煙管についても仔細に描写されています。

それも、ただの煙管ではなく、長さはおよそ十尺、すべて銀ごしらえで、午下りの夏の陽をうけて光っている。吸口は象牙で、煙管には花鳥の細かい彫が入り、火皿も大きい。

村上元三「尾張様の長煙管」『上総風土記』(1983年、六興出版)205頁

長さ十尺ですから3メートル強。しかも銀製の延べ煙管。
重さまでは書いていませんが、担ぎ役が必要となることは容易に想像できます。
延べ煙管は通常、吸口も金属ですが、この煙管は吸口だけ象牙。
宗春の派手好きを象徴する描写です。

「新・暴れん坊将軍」に登場した長煙管も、かぶき者らしさを描いた派手な造りでした。
長さは1.5メートルぐらいあったでしょうか。羅宇には全面に蒔絵が施された(ように画面上では見える)豪奢な煙管でした。

煙管を始めると、時代劇や歌舞伎に登場する煙管が気になります。
コロナ禍以降、歌舞伎を殆ど観ていないので、また劇場に足を運んでみようと思います。

村上元三「尾張様の長煙管」は面白い小説です。
こちらに収録されているはずですが、Amazonでは収録作が記載されていませんので定かではありません。

国立国会図書館デジタルコレクションに登録されている方はこちらで読むことができます。

Wikipediaによれば

ちなみにWikipediaの徳川宗春の項に掲載された「宗春を描いたとされる絵」では、煙管の長さは1m強といったところでしょうか。
これでは担ぎ手は不要で、村上元三「尾張様の長煙管」の物語は成立しませんね。


煙管に関する本を発行しました

大阪・西天満の水野ゼミの本屋、1/19(日)文学フリマ京都9で販売します。
秋月堂『煙管 ~ 見方、買い方、吹かし方』(2024年、大阪工業大学知的財産学部水野研究室)
文庫版、32頁
300円(税込)
https://c.bunfree.net/p/kyoto09/43492

今回もご笑覧いただきまして、ありがとうございました。(水)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集