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デジタル化のリスク: このあと、あなたを待ち受ける落とし穴とは?

この記事は、急速に進むデジタル化には意外なリスクが潜んでいます。あなたのお仕事にどのように関係しているのか、デジタル化と知識の落とし穴について、私が【デジタル読書のすすめ】の執筆中に起こった事件について語ります。

コロナ収束後は、浦島太郎状態になる?

コロナ禍は収束へと向かいつつあります。菅総理は「明かりは日々輝きを増している」と就任一年の会見で語りました。

猛然とした嵐が去ったあと、私たちは日常に戻っていきます。リモート会議やAIがドンドンと取り入れられ、そこに待ち受ける職場や生活では、その仕組みがデジタル化で一変していることに間違いはなさそうです。

職場に戻り大事にしておいたノートパソコンを空けたとき、まるで浦島太郎のように、景色がまったく違ったものになってしまうのかもしれません。

私には、そんな、デジタルとなった知識がオーバーフローを起こし、まるで記憶喪失のようになってしまった経験があります。

それは、今回の【デジタル読書のすすめ】を執筆中に起こりました。

洪水のように押し寄せるデジタル化と情報量は、あなたの脳と記憶を機能不全する「落とし穴」となって待ち受けている。それを避けて通る道はあるのか?

私の恐ろしいストーリーからそれが分かります。

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デジタル読書の生い立ち: その誕生秘話

私は長年の外資系サラリーマン生活とベンチャー企業のハードワークで夜昼なく働く毎日を過ごしていました。ある時、プレッシャーに負けそうになったときに突然電子書籍に目覚めました。

子供の頃に楽しんだ読書の時間がわずかなスキマ時間でも取り戻すことができたからです。その後、私自身の読書の世界がガラリと変わりました。

キンドルの魅力に取りつかれてしまったのです。それは、人生の折り返し地点を通過した自分 にとって、長年の探しものを見つけたようなうれしさでした。

それは全く新しい読書体験への入り口でした。まさしく人生2度目の読書三昧だったのです。この素晴らしい体験をぜひとも多くの方々とシェアしたい、そう考えました。

その後時間に余裕ができたとき、本に関わるビジネスを始めたいと思いました。そして、自分の作品を世に問いたいという思いに駆られました。そこで、読書のサイトを立ち上げるかたわらコツコツと本を書きはじめたのです。

Kindleを使って読書三昧しようという本です。そして一年の執筆と出版準備を経てAmazonのKindleから本をアップロードしたのです。何度も何度も設定を確認して、最後に送信ボタンを押すときには、指が震えていたのを今でも覚えています。

これ、この本をお読みいただいている中にも同じ経験をした方もいるかと思います。本当にドキドキの瞬間です。

何冊か出版した中にはカテゴリ・ベストセラーとなり大きな反響をいただいたものもあります。しかしながら、テクノロジーの進歩は速いためコンテンツの更新が必要と感じていました。しばらく執筆からは遠ざかっていたため、ためらいもあったのですが、決心をして進めることにしました。

更新された電子書籍の情報やデータをあつめながら、最新のバージョンへの準備も次第に整っていきました。メッセージやアウトラインも草案ができあがりました。しかし、どうしても最後まで行き着かないのです。


デジタル化で待ち受ける「落とし穴」とは?

ずっと何かが足りない・・・。そう感じていました。そしてあるとき、ある出来事からふと気づいたのです。

今回の既存本の更新の準備のため数十冊の本やウェブ、そして研究論文を手当たり次第に読みあさっていました。しかしある朝、起きてみると頭の中が真っ白になり、何も手につかなくなってしまいました。

これまで集めてきた情報やデータがまったく、文字通り見えなくなってしまいました。それはまるで、吹雪の中でおこるホワイトアウト現象のようでした。

ホワイトアウト現象とは、雪の地面に薄い雲や吹雪となった状況で、光の乱反射によりまわり真っ白になり視界が0となる状況です。最悪、まったく身動きがとれなくなってしまいます。登山中の濃霧でもよくおこます。

有名な事件としては、これは1902年(明治35年)1月、来る日露戦争のため、帝国陸軍の青森第5連隊210名が雪中行軍の演習を行い、そのうち199名が遭難死した史実は映画「八甲田山」にもとりあげられています。

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私の場合は、これは膨大な量の紙とデジタルの資料から数え切れないほどの数のメモを積み重ねていく作業の最終段階でおこりました。結局のところ、執筆の作業を一時中断せざるを得なくなったのです。

これはちょうど世の中がコロナ禍で騒然としてきた時期と重なっています。ぼう然と過ごす中で、あるとき、ふと以前にお世話になったビジネスコーチの方が勧めているカンファレンスの記事が目に入りました。

わらにもすがる気持ちで、リモートで開催された会議に参加しました。なんと、そこには地球の裏側からを含め、世界中から1000人以上もの参加者が集まりデジタル知識の活用方法を議論していました。

そこでは、ホワイトアウト現象を解決するために、自分が追い求めていたカギとなるヒントがザクザクとありました。

その後、この世界中のナレッジワーカーのグループが主催する「セカンドブレイン」というカンファレンスに参加して、はじめて自分が求めていたホワイトアウトを脱却する方法が見つかりました。

そこからは、どのようにデジタルで知識を収集して処理するか、深読みを可能にして新しい発見をさがし、アウトプットまで結びつける新しいプロセスができあがっていきました。そしてここまでたどり着いたわけです。

しかしあらためて感じることがあります。

これまで私たちが慣れ親しんできた紙の情報とデジタル化された情報には非常に大きなギャップがあるのではないか・・・。その象徴的存在が紙の本と電子書籍ではないでしょうか?

なによりも、現在の仕事がデジタル化されたとき、次の求められる能力とは何でしょうか。AIが仕事を奪うといいます。では、生産性のためにデジタル化、自動化されたあとはどう対応していけばよいのでしょうか?


いま、デジタル化で起こっていること

今、コロナ禍の中、デジタル化が急速に進んでいます。職場ではリモート会議やリモートワークをはじめとしてデジタル・トランスフォーメーション(DX)と呼ばれるデジタル化が起こっています。政府のデジタル庁からのお達しで官公庁もデジタル化で変わろうとしています。

最悪のところ、私たちが肌身はなさず持ち歩きスクロールするスマホやノートパソコン画面のテキスト、画像、動画情報は、洪水となってあふれだし、画面からすぐに消え去っていきます。

デジタル化とは、ホワイトアウト現象のまっただ中を突き進むこととにています。

なぜならば、職場の仕事のデジタル化が進む中にあって、そこで働く個人の能力を発揮するための経験や知識をデジタル化して自分の資産として蓄積していくことができないからです。

大量の情報とデータがデジタルの現場にあふれかえりますが、それは人の脳が処理しきれる以上となり、情報の整理と活用が追いつきません。そして、これはこれまでの思考法や読書術などでは対応できません。なにしろ、その方法自体がが存在しません。

このままでは、さきほどの吹雪の中を行軍する帝国陸軍の青森第5連隊の一人となりかねないのです。


この本があなたにお届けするもの

この本の目的は、次のデジタル時代の武器をお届けすることです。

1. 自分自身の好奇心や驚きの探究心をつかって、新しい発見や発想力の源になる本や情報源から知識を収集する
2. 何段階も深く読み進め、思いもよらぬ突き抜けたレベルのアウトプットへと出力していく
3. デジタルのアプローチで外部脳を開発し、その一貫したツールとプロセス、手法を提供する


冒頭でお話しした、急速に進むコロナ禍後のデジタル化に潜む「ホワイトアウト現象」で自分の知識処理が機能不全するまえに、一度、確認することをおすすめします。


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