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ピンクシャツディからKOTOMO基金へ
公益財団法人YMCAせとうちは、 1953年に岡山に誕生して以来、 こどもたちや若者が、 希望を持って生きられる社会の構築を目指して活動しています。 この趣旨に則り、 今年2月14日〜3月14日にかけて 世界的いじめ反対運動である 「ピンクシャツデー・バーチャルウォーキング」に取り組みました。 この活動で得られた寄附金を、 このたび同じ志をもつKOTOMO基金を通して、 今困難な状況にあるこどもたちと、 そのご家族を支えるために用いていただくため、 贈呈式を行いました。 KOTOMO基金代表の石原様と YMCAボランティアのでーるリーダーのトークライブも行いました。
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防災の日に寄せて 真新しい名刺
本日、防災の日。 防災の日が9月1日に制定されたのは、 1923年に大被害をもたらした『関東大震災』に由来しています。 9月1日は、関東大震災が起きた日なのです。 関東大震災では地震により10万人あまりの命が奪われたました。 そのときに内務省が各地の警察署に下達した内容の中で 「混乱に乗じた朝鮮人による凶悪犯罪、暴動などを 画策しているので注意すること」という内容があり、 これが行政機関や新聞、民衆を通して広まり、 韓国の方々や、そうと間違われた中国人、 日本人(聾唖者など)が多数殺傷される事件が発生しました。 そのことを憶えて、本日聞いていただきたい歌は、 「真新しい名刺」です。 YMCAもブランディングを経て、ロゴを刷新し、 私も「真新しい名刺」を持っています。 この名刺を持って、私たちは何をするのか。 常にそのことを自問自答しています。 「真新しい名刺」は、 ミュージシャン沢知恵さんの素敵な歌《こころ》の 訳詩者である彼女の祖父、金素雲さんの随筆を 中川五郎さんがうたにしたものです。 十代半ばで東京を焼け出された金素雲さんは、 関東大震災後の雰囲気の残る中、 あえて朝鮮服を着て大阪の市電に乗ったことで、 車掌と大揉めに揉めます。 終点でひきずり出され、おおぜいに囲まれ、 殴りかかられそうになったところを、 ひとりの日本人に助けられるという本当にあった話。 「悪かったら悪かったとなぜ素直に謝れんのだ。 きみたちは一体、どれほど立派な人間のつもりだ。 海山越えて遠い他国に来た人たちを、 いたわり助けは出来ないまでも、 多勢をたのんで力ずくでカタをつけようという、 それじゃまるで追剥ぎか山賊じゃないか。 そんな了見で、そんな根性で、 きみたちは日本人でございと威張っているのか」 と日本人に語ります。そして、 「どうか許してやってくれたまえ、 きょうのことは私が代わってお詫びをする。 これから先、またどんなイヤな思いをするかも知れんが、 それが日本人の全部じゃないんだからね。 腹が立つときはこの私を想い出してくれたまえ」 と言い、金素雲さんに名刺を渡したのです。 (金素雲「真新しい名刺」より) 沢さんはこの曲に寄せて、 「まさかあの随筆をそのままうたってしまうとは。 予告なしで目の前で聞かされた岡山の夜、 びっくりして、気がつくと涙があふれていました。 祖父を助けた牧師の西阪保治さんがいなかったら、 私は生まれていなかったかもしれません。 その西阪さんの息子さんと、 偶然おなじ教会に通うことになり、 西阪さんが社長をつとめた新教出版社から本を出し、 私はいま、息子さんのお連れ合いと文通しています。 不思議な不思議なめぐりあわせです。 つい最近、歴史好きの息子にたずねられました。 「ママ、歴史はなんのために勉強するの?」 知るために。 心で受け留め、いまを生きるために。 未来につなげるために。」と書いておられます。 ぜひとも中川五郎さんのうたを聴いていただきたいと思います。 とても胸に迫るものを感じます。 私たちが携えているこの「新しい名刺」を一体どのように使い、 そのことが出会う人々の「よくなる」とどうつながり、 いかにポジティブネットを創ることができるのか? コロナ禍の防災の日に共に考えたいと願います。