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nagoyanomayuko
脱がされて【ビール傘】(毎週ショートショートnote)
仕事はなんでも大変だ。
中でも住宅営業というのはかなりのハードワークだ。
契約するまでも、した後も。
体育会系でゴリゴリの風潮が今でも色濃く残る。
尊敬する先輩が転職するその送別会。
3軒目に連れてこられたのはオッパブだった。
ニューハーフの美女に股間を触られて、挙げ句の果てにはこうして脱がされているという。
勘弁してくださいよと言いつつ、嫌いじゃない。
とりあえずパンツ履こうか。
はっと横を見るとむさくるしい営業陣の中、紅一点の憧れの君。
す、す、す、すいません!!!!!!
ステージ上でスッポンポンのこんな姿を見られたんだ。
しこたまビールを飲まされて楽しくなって脱がされたとはいえ、こんなのを見せたくなかった。
こんな形では。
酔いが急激にさめていく。
気にしないで。
わたし、傘持ってるから。
え?か、傘?ですか??
そう、傘。
見たくないものを隠せるように。
別名心のシャッター。
ひとりパンツを履きながら思った。
こんな恋の終わり方ってあるか。
寝起きだからかふざけた感じのものを。