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katakana_chan
号泣ソング。それは
泣く。
片目からだけポトっと流れ落ちるものもある。
ぐしゃぐしゃの濡れそぼった顔になる涙もある。
あとからあとからこぼれ落ちて止まらなくなる涙もある。
母は亡くなって葬儀場に運ばれるまで家に安置されていた。
息を引き取った病室でわたしが化粧を施したその顔は、まるでただ寝ているだけに見えた。
お母さん。
そう大きく呼びかけると、なによ、と起き上がるのではないかと思うほどで、そう考えたら腹の底から突き上げるものが咆哮のような泣き声をあげた。
夫も子供たちもわたしの泣き声にそっと部屋を出ていき、わたしを存分に泣かせてくれた。
それ以来、わたしはあんなふうに涙を流していない。じんわり流すことはあるが、心を震わせてそれに答えるような泣き方を忘れてしまった。
悲しい想いはしたくないはずなのに、涙を流した後の爽快さを味わいたい。
自分の中にある何かを解放したいのだ、と思う。
そんな時、ラベンダーさんのこの企画を知ったのはお導きかもしれない。
わたしの号泣ソング。
それは。
ケツメイシのバラード。
これはもうせつない。
せつないという感情を歌にしたらこのバラードになるに違いない。
いろんな恋や愛の形がある。
そして愛すればこそ別れを選択することもある。
幸いなことに?わたしにはこんな経験は無いが、この男女がこんなふうに人目もはばからず号泣するのは本当に愛していた思いを手離すからだ。
この歌を歌いながら、わたしは号泣する。
悲しみながらもわたしは解放される喜びを味わっている。