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不合格【ビール傘】(毎週ショートショートnote)


そこにいる男たちは全員その娘に釘づけだったはずだ。
ぴっちりと両胸に浮き出ているビール傘。
白い肌。憂いを帯びた横顔と黒髪。
チラチラと見ているが誰も席を立てずにいる。
よし、ここはいくしかない。


彼女がひとりカウンターに座る隣につかつかと歩み寄る。
気がついている筈だがこちらを見ようとしない。
お隣いいですか?
返事はないが、拒否もされなかったので勝手に座る。


ひとつ聞いてもいいかな。
その服なんだけど。
個性的だよね。
すごく似合っていて、というか君にしか着こなせないんじゃないかな。
おまけに飲んでるのもビールって。


不合格。
彼女が初めて喋った言葉がこれ。
隣に座ったまではまあまあ。
行動力は認める。
でもその後はからっぽ。
文学的センスがまるで無い。
ちなみにうちの旦那はこんなの書いてるわ。
彼女は開いたスマホを印籠のように顔の前に突きつけた。


note?
旦那?
や、山根…



彼女は店を出て行った。
noteか…
よし、俺も書いてみるか。




山根さんの素敵なイラスト使っていいのか、ドキドキしましたが使っていいんですね😆
さっそくこんな話を書いてみました。
ありがとうございます!

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