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そんなきみだから【立方体の思い出】(毎週ショートショートnote)

きみはとても不思議だ。
君の口や指先からは僕が到底理解できないような文言がこれでもかと溢れてくるのに、どこかに持つべき機能を置き忘れてしまっている。


きみが部屋から出ていく時に何度も肩をドア枠にぶつけたり、今それをやったらこうなるだろうという出来事を僕は何度も見聞きしている。
ゴミ箱の蓋を開ける前に両手に生ごみを持っていたり、離れた場所で切った食材をぽとぽと落としながらわざわざコンロまで運んでみたり。
結論から逆に辿っていくと最初にこうすると良い。
そういうことに考えが及ばない。
理論や空間認知という文字はきみの辞書には無いんだろう。



数学が嫌い、わからないといったきみ。
昔、立方体の話をした時も眉毛を思いきり下げてへの字ぐち。
展開図を見せてもこれがどんな形になるかさっぱりわからないという。
僕が懸命に説明していた時、きみはにこにこして僕の顔を見ていた。


20年後、きみにまた立方体の話をしてる僕は幸せなのかもしれない。


期限に間に合わず、遅くなってしまってけど書いてみました。
たらはかにさん、早く元気になってくださいね╰(*´︶`*)╯♡

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