文芸批評を楽しむこと

最近、蓮實重彦や柄谷行人といった人の文芸批評を好んで読んでいる。

文学作品そのものを楽しむと同時に、作者の手を離れて独り歩きを始めたテクストの新たな側面を垣間見ることができる。

以前にも書いたことがあるが文芸批評というのは、哲学・思想とも境界が曖昧である。テクストをどう解釈出来るかという読み方の問題と批評家の思想が密接不可分だからである。

テクストを読むということは読者が同時にものを考える営みでもある。世界の深淵を垣間見るという行為でもあるのだ。