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不登校児の母より〜背中を見せて、堂々と逃げろ!~
こんにちは、めめです!
皆さんは「逃げる経験」をしたことがあるでしょうか?
私自身の「全力で逃げた経験」は
小学生の頃 友達と一緒に 隣の家へ ピンポンダッシュをして
隣のおばさんに追いかけられ
全力で 非常階段へ逃げたことは 記憶にありますが
その後
大人になっては 全力で逃げた記憶はほとんどありませんでした
長男が不登校になり
「今いる場所が苦しければ 逃げていいんだよ」
そう 子どもに伝えてきたはずの 私
その私は ある場所から ずっと逃げられずにいました
そんな話を書きます
立つ鳥跡を濁さず
「立つ鳥跡を濁さず」とは 昔からよく言ったもので
「立ち去る者は、見苦しくないようきれいに始末をしていくべき」とか
「引き際は美しくあるべき」という 戒めであるそうだ
私自身も この言葉のとおり
「仕事を辞める」時は 数か月前には申し出て
組織に支障が出ないように 仕事の引継ぎを行なうこととを
「社会人としての責務」であると思っていたし
当たり前のように そうでなければならないと思っていた
ブラックパートを辞めたい
一年ほど前に 働き始めた パート先を
「ブラックパート」だと認識したのは
ちょうど 2024年の年が 終わろうとしていた時だった
普段はボスと2人きりの空間で 仕事をせねばならなかった
社会的に良いサービスを 提供しているはずの職場だったが
どう考えても スタッフにとっての 労働環境が悪すぎる
・「ボランティア」と名目で、タダ働きをさせられる
・就業時間外であっても、LINEで「叱責される」
・プライベートな時間に、業務で必要なものを買わされる
・業務のために、自家用車を出せと言われる
・イベントで余った食材を、買い取らされる etc…
ブラックパート先のボスは
企業イメージから外れず 社会的には 良い事ばかり 謳っていたし
外見は 何かと繕っていたが
長く働くうちに
自分の元で 働くスタッフのことは
微塵も考えていない 冷たい人だと感じるようになった
「私は大丈夫」は危険!
パート先の ブラックな部分に触れても
最初は「この程度のこと、私なら耐えられる」と思っていた
だが 毎日のように 違和感のある事を 繰り返されることで
私は ちょっとずつ 痛めつけられていた
「字が小さくて読めない。書き直して!(モラハラ)」
「この位の書類、30分で作れるでしょ!(過大な要求)」
「寄り道して、事務所の消耗品を買ってくること!(勤務時間外)」
「ボランティアも参加する行事は、スタッフも無給です(タダ働き)」
「あれがないこれがない。泥棒が入ったのか(物とられ妄想…)」
「休みの日でも、緊急です!電話に出なさい(リモハラ)」
「あなたの仕事はもうない(リストラ・ハラスメント)」
ひとつひとつは とても些細なことだった
どんな職場にも ある事だと思っていたのだが・・・
他のスタッフがいない場で 1対1で
何度も 自分だけに 毎日に繰り返されると
小さな傷が次第に 大きな影響を 及ぼすようになった
「小さな傷」をも、無視してはいけなかった
最初は、大したことないと感じていた 小さなハラスメントも
繰り返されることで 「小さな傷」が 幾重にも重なり
なかなか治らない 「大きな傷」に なってしまっていた
私は常に「自分を否定されている」と感じるようになった
「何をしても怒られる」
「余計なことはしないでおこう」という思考になった。
「指摘されないように・・・」
「間違いを犯さないように・・・」と
常に気を張って 無駄な確認作業が増えて行ったし
緊張から 余計な失敗をしてしまうようになっていった
正しくその場を去ろうとしていた
「電気が消えていなかった」とか
「キッチンペーパーは1度使ったら また乾かして再利用せよ」とか
「役所へ提出する書類を 本日2時間で作成せよ」とか
「私の代わりに 管理者会議に出席せよ」とか
私の責任のないことでも 注意をされ
パート身分にもかかわらず それ以上の働きを求められこともあり
この職場に居ると ボスのいうことが全て正しくなり
自分が自分でなくなってしまうと感じてしまうようになった
「早くこの場を離れよう」出勤するたびに そう思っていたが、
「辞めるなら 1ヶ月前に申し出る それが社会人でしょう」と
言われるような気がして
「忙しくない時期を見計らって」とか
「他のスタッフに迷惑を掛けないように」とか
「しっかり段取りをしてから辞めよう」とか
あくまでも 正しいやり方で その場を去ろうとしていた
背を向けて堂々と逃げろ!
だがしかし
もう 自分一人では抱えられず 解決のしようもなかった
気がつくと 私は悪者にされ 勝手に色んな事を 疑われていた
私のメンタルは コテンパンにやられていた
そんな中 私は 長年お世話になっている 鍼灸の先生のところを訪れた
治療を受けながら
職場でのあれこれについて 話を聴いてもらっていた
いつも優しい先生が
私の話を聴きながら 怒りで声を震わせ
真剣な声で 私にこう伝えた
それは はっきりとしたパワハラです
もう その職場には 二度と行ってはいけません
あなたは 一切悪くないのです
いいですか 人生には逃げる時も必要です
堂々と 背中を見せて 逃げるのです
振り返っても 向こうの言葉を 聴いてはいけません
そんな相手のことを もう思いやる必要もありません
夫に 間に入ってもらいなさい
そしてあなたは 直ちに休みなさい
そうでないと 心が折れてしまいます その寸前です
友達や家族が あなたに 何度も
そんな職場 すぐさま辞めろと 言ったでしょう
その時が あなたが辞める時だったのです
あなたは もう十分に頑張ったでしょう
もう逃げていい そして ゆっくり休んでいい
その言葉に ハッとしたのです
私は パワハラを受けていたんだ そして私は悪くないんだ・・・
背中を見せて 逃げていいんだ
自分の身を守らなければ・・・
逃げよう もう振り返らない・・・
その後 私は先生の言葉どおり
人の手を借りて 辞める意思を伝えた
自分で直接 「辞めたい」と伝えていたら
きっと話はこじれていただろうが
夫に「もう妻を出勤させることはできません」と 伝えてもらうと
すんなり「承知しました。鍵を送り返して下さい」とだけ 言われた
むしろ引き留められも 労りもされなかった
そんな職場で 無駄に頑張っていたんだと思い
もっと早くに 逃げていればよかったと思ったのだった
にげて さがして
私がブラックパートに 悩まされていることを
近くで見ていた 不登校の長男は
ある日 こんなふうに 声をかけてくれた
母ちゃん 母ちゃんの仕事は
そんな ダメな大人の相手を することじゃないでしょう
可愛い 子どもたちのために 働いているんでしょう
母ちゃん これでも 読んで^^
と言って一冊の本を 渡してくれたのだ
その本は 長男が 学校に行き渋り始めた頃に
私が長男にプレゼントした
ヨシタケシンスケさんの 「にげて さがして」だった
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よのなかには いろんないろんなひとがいる
そして ひとがたくさんいれば
そのなかに かならず
「そうぞうりょくをつかうのがにがてなひと」がいる
とにかく そのひとから はなれること
じぶんを まもるために
そのばから にげること
にげることは はずかしいことでも
わるいことでもない
きみのあしは「やばいものから にげるため」についているんだ
にげて さがして
うごいて うごいて
子どもには「逃げても 隠れても 休んでもいい」
と言いながら
一番 それを できていなかったのは
自分だったかもしれない
大人になるにつれて
社会規範のようなものを 破れなくなっていた
沼にハマっていればいるほど もう1人では逃げることも 動くこともできなくなっていることもある
私は 周りの人に助けてもらい なんとか逃げることができた
そして今 胸を張って言うことができる
学校に行くとか行かないとか悩んでいる 子どもたちも
仕事、家事、育児に追われ 今にも倒そうな 母ちゃんも
処理しきれない沢山の仕事を 抱えるお父さんも
責任に押しつぶされそうな 管理職も
逃げること 離れること 休むことは
恥ずかしいことでも 卑怯なことでもなんともない
次にまた 進めるように
時には 人の手を借りて
もう居られない場所には 堂々と背を向けて
自分の 大事なお腹をしっかり守って 逃げ切るのだ!!