便意を催した時に限って…
今日は、買い物の途中で💩漏れそうだったという話。なんで便意を催した時に限って、色々起こってしまうんだろう。カナダはトイレがすぐそこにないから、便意を催した時は本当に焦る。
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お昼ごはんを食べてから、100均へ買い物へ行った。目的のものを手にしてから、気になる売り場を見て回った。
ぎゅる。
お腹の音が鳴って、微妙な痛みが来る。家で出してきたし、まだ大丈夫だろうと、店内をウロウロ。
数分も立たないうちに、
ぎゅるる。
これは急を要するやつ、だと思ったからレジへ急ぐ。幸い、レジには誰も並んでいない。早足になる。レジまですぐそこ、って時におじさんが現れた。彼の方がわずかに早かった。内心舌打ちをしてしまったが、割り込むわけにはいかない。
おじさんの買うものはお菓子3袋だし、クレジットカードで支払って終わりだろう(カナダはカードで支払う人の方が多い)。「おじさん、早くレジ終わってくれ〜」と念じる。私は気を抜けば、今にもお尻からやつらが出てきそうな状況。
おじさんの支払いはまさかの、現金!小銭とかも出しているからちょっと手間取っている。うそうそ。早く。腹痛も便意も、やばい。人間は感情がたかぶると、「やばい」でしか表現できないんだな。と全く関係ないことを思った。
そんな私の状況を知らないおじさんは、店員さんとスモールトークも楽しんでいる(カナダでは見知らぬ人とも気さくに話をする)。
ようやくそのおじさんのレジが終わり、私の番がやってくる。サッと品物をレジへ置く。
ここの店員さんたちは、いつも愛想なくて物静かなのに、今日に限ってめちゃ愛想のいいお姉さん!
お姉さんが笑顔を向けてくれたから、私も笑顔を返す。でも頭の中では、こんなことを考えていた。
アカン。さっきよりお腹が痛い。100均にトイレはない。ここを出てすぐ、他のお店がいくつかあるけど、トイレが1つずつしかない。そこで待たされたり、他のお店に行ったりしたら、まじで漏れる。それなら、スーパーのトイレに行こう。あそこなら5分くらいだし、個室が何個かあるし。
お金を払い、急ぎ足でお店を出た。少し腹痛が治まった。気持ちの問題か?でもお尻の力は入れたまま。何とか、持ちこたえられそうだ。急ぎながらも車には気をつけよう。もし事故って、💩まで漏らしたら恥ずかしすぎる。
スーパーに着くまでに信号がひとつある。こんな時に限って、赤。しかも心なしかいつもより長い。お尻に意識が集中すると、💩が出たがっている気がする。気を逸らすために意味もなく腕時計を見たり、キョロキョロしたり、128+58=...(思考停止)と苦手な計算まで始める。
青に変わった瞬間、競歩スタート。涼しい顔をしていた(つもり)だけど、漏れたらどうしようかと心臓はバクバク。
スーパーが見えた瞬間、「Thank God」と思った。私は”Thank God”は使ったことないけど、こういうシチュエーションが正しい気がする。
そこへ、前方から手押し車を押すおじいちゃんがやってくる。カメのようにゆっくり歩いている。目が合った。何か言いたそうなのが分かった。
気付かなかったフリをするか?いや、スーパーはすぐそこ。これなら間に合いそうだ。と考えていたら、「Hello」と声をかけられた。
いつも誰も話しかけてこないのに、なんで今日に限って!
「....◯※△…」
おじいちゃん、ごにょごにょ言って聞き取れない!お尻をモゾモゾしたいのを我慢して、「Sorry?」と優しく返す。
「…テイラー…?」
ストリート名か、それなら知ってる。一瞬気が緩んだ瞬間、
ぎゅる!
いま?!お腹痛すぎて、英語もまともに考えられない!ええい。
「Over there! 」
自分が来た道を、必死で指差した。これじゃ不親切すぎる。ええーと、ここをまっすぐ行ったら、テイラーが見えてくる。何て説明したらいいんだ。
ぎゅるる。
アカン。とりあえず!
「JUST GO STRAIGHT!」
今度は「前ならえ」をするみたいに、腕をぴしっと伸ばした。思ったより自分の声がデカい。言葉ひとつひとつが力強い。丁寧語もへったくれもない。おじいちゃんは、わかったのかわかっていないのか、ふんふんと首を縦に動かして歩いて行く。
私はおじいちゃんに背を向けた瞬間にダッシュ!もう冷や汗。一瞬でも緩めば大惨事になる。トイレが見えた時はもう全速力!
便座に座った瞬間、すべてが緩んだ。
トイレをしながら、さっきのおじいちゃんを思い出す。おじいちゃんへの道案内、「Over there!」も「Jsut go straight!」も似たような意味だ。もう少し丁寧に言ってあげたかったな。ごめんね。おじいちゃん、テイラーストリートは分かったかな。
お腹もスッキリしてトイレを出る。
よし、これで誰が話しかけてきても丁寧に対応できる!心に余裕ができて歩いていたのに、誰も私に話しかけることなく家に着いた。そんなことだろうと思った。
私はどうやら「意識の矢印」が強いらしい。いつもは誰にでも親切にする気で街を歩いている。その意識が強すぎて、誰も話しかけてこないのかもしれない。でも便意を催した時は、お尻を締めることばかり集中していたから、逆に話しかけられたのか?
この日、健康管理の腕時計Fitbitの心拍数を見ると、最高157。心拍数が上昇している時間を管理する独自指標の「ゾーン」がある(脂肪燃焼なども分かる)。1日のノルマは22ゾーン。この日は、21ゾーンだった。いつも通る道、行く場所でも、切羽詰まっているとこんなにも数字が違うんだな。
そして今朝、窓の外を見ていると、車の助手席から女の人が出てきた。その人は走って、家の中に入って行った。「あの人も💩漏れそうなんかな」と思ってしまった(多分違う)。どうか、間に合いますように。