見出し画像

CTOとVPoE、何が違う?

エンジニアリングの世界で見かける二つの重要な役職、CTOとVPoE。

両者ともに組織の舵取りを担うリーダー的存在であり、その存在は組織の成長と発展において欠かせません。

ただ、その役割には微妙な違いが存在します。CTOとVPoEの間にどのような違いがあるのでしょうか?




CTOとVPoEは、航海士と機関長の関係


企業を船に見立てたとき、CTOは航海士、VPoEは機関長と言えるでしょう。

航海士であるCTO(Chief Technology Officer)は、船が未知の海に進出するために、どの方向に進むべきか、どの風を受けて帆を張るべきかを決定する必要があります。その決定は、船が安全に、そして効率的に目的地に到達するためのものです。

まさにCTOは他の経営陣(船長など)と連携し、新しい市場や技術に進出するために、技術面から経営戦略を立案・実行していく役割を担っています。

一方で機関長であるVPoE(Vice President of Engineering)は、船の管理や整備を行う機関士たちが最高のパフォーマンスを発揮できるように働きかける存在です。船が安全に目的地にたどり着けるように、エンジンや発電機などを操作や整備する機関士を統括する役割を担っています。

まさにVPoEはマネジメント責任者として、エンジニア組織の採用・育成・マネジメントなどに取り組むとともに、教育・サポート体制の構築や他部署との連携などを行う役割を担っています。


昨今、なぜCTOやVPoEが求められてるのか?


戦略的な視点を持つ「CTO」、実行的な視点を持つ「VPoE」。

両者の違いが見えてきましたが、実際の現場では、これらの役割が明確に分担されることは少なくありません。たとえば、スタートアップではCTOがVPoEの役割を担うケースもあります。また、テクノロジー分野のスタートアップでは、CEO自身がCTOとVPoEの両方の役割を担っていることもあります。これらの役割は企業の規模やニーズ、組織の構造によって変わることがあるということです。

こうした状況によって可変性のある役割でありながら、なぜ、近年これらの役割を置く会社が増えているのでしょうか。

まず、CTOを置く必要性はさまざまな観点から考えられます。最も影響のある要素はテクノロジー進化です。技術変化の激しい昨今、企業経営にとって最も投資対効果のある技術開発や運用ができるかどうかを見定めるには、まさにCTOの存在が不可欠です。加えて、現実的な問題として、投資家へのアピールやキャリアとしてのパスとしてCTOを置くケースもたびたび存在します。

VPoEについて言えば、今のエンジニアを取り巻く環境も影響しています。もはやDXが当たり前のものになる中で、エンジニアは完全な売り手市場が続いています。特に優秀な人材の獲得競争は激しく、良い条件を提示して獲得できても、他社から引き抜かれることもあります。こうした背景から、エンジニアの採用、育成、マネジメントを専門に行う「VPoE」が求められているという訳です。

どちらの役割も非常に重要で、それぞれが企業の成功に大きく寄与します。これらの役割をどのタイミングで置くかで、組織の成長は変わってくるでしょう。

(参考情報)
SELECK「「VPoE」とは? CTOとの違い、必要なスキル、VPoEが主導する活動の事例【5選】を徹底解説!」https://seleck.cc/vpoe(2024年2月7日アクセス)
ビジネス+IT「VPoEとは何か? VPoE自身が解説するVPoEの役割と求められる能力、CTOと何が違う?」https://www.sbbit.jp/article/cont1/83513(2024年2月7日アクセス)

★関連投稿はこちら


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集