やる気のデザインも上司の仕事?
「やる気が出ない…」
皆さんはこんなとき、どのようにやる気を高めていますか?
散歩する?瞑想してみる?
それもアリですが、「期待理論」を知ると何かヒントが得られるかもしれません。
期待理論でモチベーションのスイッチON!
期待理論とは、「行動を起こせば報われるのだ」ということが分かったとき、人間はやる気が湧くものである、という考え方です。
イェール大学、ヴィクター・H・ヴルーム教授が提唱した理論です。
この期待理論の新しさはどこにあるのでしょうか?
それは、やる気が湧くメカニズムとして、「努力」「成果」「報酬」の3点の関連性で示した点にあります。
モチベ不振は「努力」「成果」「報酬」が繋がっていないから
例えば、もしあなたが、ある会社のセールスとして働いていたとしましょう。そして、こんなミッションを担うことになりました。
「ある商品を3日間で100軒、飛び込み営業で売ってきてください」「その商品を50軒に対して売ることを期待します。プロセスは重視しません」「報酬としては、どれだけ売っても一律10万円です」
あなたはやる気が湧きますか?湧きませんか?
「いやいや、飛び込み営業なんてそもそもやりたくないよ!」というのがあるでしょう。また、飛び込み営業が苦ではない方も、100軒回って50軒に商品を売るという目標の高さにうんざりするかもしれません。
おっしゃる通りです。
こうした状況を、更に期待理論で分析してみます。
原因① 3日で100軒飛び込み営業という「行動」に対して、求める「成果」が50軒という目標は、受け手にとってハードルの高さを感じさせる。
原因② 仮にその目標が達成できたとしても、一律10万円の「報酬」では納得いかない。
「今の時代に飛び込み営業で成果を上げられるのか?」「プロセスの評価はされないのか?」など、まさに受け手にとって努力・成果・報酬の関連性に納得感がないのです。
これは極端な例ですが、職場でもたびたび同じことが起きているのです。
部下のやる気をデザインするのも上司の仕事
職場において、部下(場合によっては後輩)に仕事を割り当てても、彼らが高いモチベーションで取り組んでくれないことはありませんか?
それは、彼ら自身がこの3つの要素を結び付けられていない可能性があります。
こんな状態では仕事を進めさせても、良い成果は得られません。
では、誰が仕事のデザインをするのでしょうか?
理想的には、個人が自律的に仕事の意義を考え、取り組んでもらうことを期待したいですが、それはほんの一部の人にしかできません。
したがって、多くの場合、上司がしっかりと仕事内容を考え、やる気が出るようにデザインし、部下に伝えていくことが重要です。
このデザインこそが、育成の仕事と言えるのではないでしょうか。
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