人事ポリシー、どう作る?
皆さんの会社には人事ポリシーがありますか?
経営理念やMVVはあっても人事ポリシーがない会社は、意外にも多いものです。
日々の人事業務は人事ポリシーがなくても遂行できますが、新たな施策の導入や浸透を図る際は必要不可欠です。
では、どう作れば良いのでしょうか?
人事ポリシーは、人事に関係する様々な決定を行うときの拠り所
人事ポリシーとは、人や組織に対する会社の考え方を明文化したものです。
具体例として、日本を代表する企業であるソフトバンクさんとリクルートさんの人事ポリシーを見てみましょう。
まずはソフトバンクさんです。ポイントを見てみましょう。
次いで、リクルートさんです。こちらもポイントを見ていきます。
両社とも何を目指してどういう組織をつくりたいか?そのために社員に何を期待し、代わりに何を提供するか?がしっかり言語化されているのが見て取れるでしょう。
3ステップで人事ポリシーを策定する
人事ポリシーを策定するアプローチはさまざまありますが、一例として次の3ステップをご紹介します。
① ありたい組織像を定める
② 求める人材像を明確にする
③ 社員を評価する際の基準を決める
こう見ると、非常にシンプルですね。ただ、いざ自社で作ろうとすると、なかなか言語化できずに悩むものです。その難しさを、具体例を使って少し考えてみましょう。
たとえば、皆さんがIT企業にお勤めの人事担当者だとしましょう。今現在はDXブームで引き合いが多く、事業的には順調に行っています。しかし、技術の進歩が激しく、この状態が長く続くとは限りません。
こうした状況に置かれたとき、まず自社にはどんな組織像が求められると思いますか?
ちょっと考えてみてください。
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いかがでしょうか?
例えば、環境変化が激しく、競争環境も厳しい状況に置かれているため、長期間「勝ち続けられる」組織でありたいと願うのではないでしょうか?
具体的に言葉を紡ぐと「現状維持ではなく常に組織として進化し続け、目標に対して変化を厭わず、勝ちに拘り、絶えず前進するための活力が溢れている組織でありたい」などです。
では、「勝ち続けられる」組織には、どんな人材が必要でしょうか?
こちらもちょっと考えてみてください。
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いかがでしょうか?
例えば、「失敗を恐れずに挑戦できる人材」が必要でしょう。
具体的には「成長意欲に溢れ、自らチャンスを掴み、リスクを取ってでもチャレンジする人材」です。
ここまで来れば、残るはこうした人材を評価するときの基準を決めるだけです。
勝ち続ける組織を目指し、果敢にチャレンジする人材を実現するには、フラットに成果を中心に評価することが大切です。例えば、性別、年齢、国籍などを問わず、まずは成果を出したかどうかで決める、などです。
そうすると、人事ポリシーのひとつが「実力と成果に正しく応える」になるわけです。お察しの通り、ソフトバンクさんの人事ポリシーのひとつですね。
人事ポリシーの策定は、このような順序で検討し、言葉に表現していくものです。
さて、ここまで人事ポリシーの内容や策定ステップについて見てきました。社員への期待を明確に示す人事ポリシーは、良きカルチャーの醸成や優秀な人材の獲得にも寄与します。
ただ、この言語化が難しく、たびたび見かけるのは、他社の表現を借用するケースです。これでは効果が半減してしまいます。
ありたい組織像や求める人材像を明確にして、自社らしい人事ポリシーを構築することが大切です。
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