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人的資本KPI、どう設定する?ーー意識したい5つの視点とは

2024年が始まり、人的資本の情報開示も2年目に突入しました。各企業の人事部門は、情報開示に向けて忙しく動いていることでしょう。

ところで、各KPIの達成状況はどうでしょうか?

1年目は時間切れで暫定的なKPIを導入した企業もあるでしょうが、そのまま2年目も同じKPIで良さそうでしょうか?




人的資本KPI、再設定する勇気はあるか?


人材戦略のストーリーを描き、人的資本KPIを設定する際、悩ましいのはどんな視点で立てるべきという点でしょう。

昨年は多くの企業が労働関係諸法令で定められた指標、各種開示基準、他社事例などを参考にしながら設定されたと思います。しかし、一年間やってみて、本当にこれで良かったのかと振り返っている会社もあるでしょう。一部の企業はKPIマネジメントに苦しみ、成果が上がらなかったかもしれません。

もちろん、KPIを設定してからまだ1年しか経っていません。今、見極めるのは早急ではないかという考えもあります。また、今段階でKPIを変えるにしても、ステークホルダーへの説明も容易ではありません。

ただし、試行錯誤が許される今の段階に、KPIを立て直すというのも一つの選択肢です。では、KPIを再設定する際、どのような視点で立てればよいのでしょうか?

「SMART」の視点でKPIを設定しよう


人的資本KPIに限らず、あらゆるKPIを設置するときに、役立つ視点があります。それは「SMART」を意識することです。どういうものなのか、具体的に見てきましょう。

まず「Specific(明確な)」の視点です。誰が見ても理解しやすく、目標の達成度合いが一目でわかるような指標を設定することが重要です。

次に「Measurable(測定可能な)」の視点です。人材・組織領域はなかなか定量化が難しい側面がありますが、そのなかでも数値化できる指標を見つけ、定量的に測ることが大切です。

「Achievable(達成可能な)」も視点も大切です。チャレンジングな目標を立てるのも良いでしょうが、やはり達成可能性のある目標の方が関係者の納得感とアクションが期待できます。

「Relevant(関連性がある)」の観点では、他の項目と関連性を意識することが大切です。経営戦略や事業戦略から導出される将来の事業ポートフォリオを踏まえ、人事戦略との連動したものであることが不可欠です。

最後に「Time-bound(期限がある)」の視点です。当然ながら、KPIには期限を設ける必要があります。期限を設けておけば、目標達成の進捗も適切に管理することができ、具体的なアクションプランも立てやすくなることでしょう。

ここまで「SMART」の視点を見てきました。これらの視点は多くの方にとって、馴染みのあるもので、当たり前だと感じるかもしれません。ただ、言うは易い行うは難しで、他のKPIと違って、いざ立てようとすると意外な難しさに直面することでしょう。たとえば、KPI設定に必要な情報が社内にないというケースなどです。結果、設定すべきKPIではなく、設定しやすいKPIに逃げてしまった、なんてこともあるかもしれないですね。

慣れないうちは試行錯誤しながらの取り組みになりますが、じっくりと考え抜かれたKPIは、最終的には組織の成果に貢献することでしょう。

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