「組織市民行動」の不思議な魅力 ーー 自主性の花咲く職場を作るには?
従業員の主体性を引き出し、協力とチームワークを促進する「組織市民行動」が、職場にどんな新しい風をもたらすのかを解き明かします。
社員の自律性を育む「組織市民行動」とは?
「組織市民行動」とは、普段の仕事とは別に、自分から進んで組織全体のために行動することを指します。報酬がもらえるわけではなく、組織全体で一緒に協力してより良い状態を作り出すことを目指す行動です。
この考え方は、インディアナ大学のデニス・オーガン教授が提唱しました。この行動は、個々の自発的な選択によるものであり、公式の報酬システムによって直接的またははっきりと認められているわけではありません。ただ、これは集合的に組織の効率を向上させる一翼を担うものでもあります。
従業員が自分で考え、責任感や組織へのコミットメントが高まることで、組織全体がより効率的に動けるようになります。同時に、組織市民行動はチームワークや協力を促進し、良い職場環境を築くのにも寄与します。
職場でどう実践すべきか?
たとえば、職場ではどういうものが「組織市民行動」に該当するのでしょうか?
オフィスの清掃を率先して行う。
遅れている仕事を引き受ける、肩代わりする。
病気で休んでいる同僚の仕事を手伝う。
パソコンが苦手な同僚に手助けやアドバイスを提供する。
職場が乱雑になっていたら、自発的に掃除をする。
誤りや改善すべき点があれば、積極的に提案する。
誰も見ていなくても、就業規則を守り続ける。
こういったものが普段の組織市民行動の具体的な例です。
こうした行動を促すには、組織のトップやマネージャーが組織市民行動を奨励するための環境づくりに力を入れる必要があります。その際、公正な評価、従業員の自主性の尊重、良好なコミュニケーションがその手助けになります。
組織市民行動を理解し、促進することで、組織全体がより良くなり、従業員も充実感や達成感を感じやすくなります。これは組織とメンバーが共に成長し、成功への一歩を踏み出す重要なプロセスです。