『クリスマスはすぐそこに』ナイトメアー・ビフォア・クリスマスとの比較文化研究
ルーニー・マーラー、
ケーシー・アフレックの、
すばらしい作品、
「セインツ‐約束の果て‐」の、
監督、脚本で知ったデヴィッド・ロウリー。
多彩な人だ。
冒頭の、
ムーン登場時の光源は、
ケーシー、グリーンのドラゴンから繋がる魂の光としての、
月の表現なんだろうが、
今作に関しては、
メタ的にこの世界線の外から懐中電灯で照らしているという意味なんだろうか。
それは置いといて、
本作は、
ストップモーションアニメという表現技法の可能性を再確認させてくれる、内容も心温まる作品だ。
ストップモーションアニメは、
粘土や人形などを少しずつ動かして撮影し、
再生、上映することで動きを表現するアニメーション手法である。
古くはクレイアニメと呼ばれる粘土を用いたストップモーションアニメが特に注目を集めていた。
クレイアニメの魅力は、
ひとコマひとコマが手作業で作られることで生まれる温かみと、
不自然な動きによって生まれる独特のユーモア、
反対にそれを利用した怖めの作品も多数存在する。
本作は、
紙のクラフトワークのような、
独特なルックで描かれたストップモーションアニメと、
3Dアニメーションを巧みに組み合わせている。
このハイブリッドな手法は、
傑作、
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」
が有名なので言及はしない。
(こちらは人形主体のハイブリッド)
そんな高いハードルが基準値になっているが、
本作もかなり良くできている。
紙や木のテクスチャーを張り付けた、
動きの愛らしさは、
アナログでは出せない緻密な動きだ。
おまえが弾いてるんかい、
からの、
おまえが唄うんかい、
からの、
wellwellwell。
おもろ過ぎるー
鳥類の威圧感、恐怖感と、
おとぼけ感もお約束、
「バグズ・ライフ」のようでもある。
しかしまあ、
デヴィッド・ロウリー、
次はどんなジャンルで驚かせてくれるのだろう。
キュアロンと組んでいるのであれば、
「ゼロ・グラビティ」級の衝撃を期待してしまう。
メリークリスマス